中身
掲載日:2016/09/16
影のようでもあり、霧のようでもあって、煙のようでもある、何とも形容しがたく、おおよそでも物体の形を成していない『それ』は、明るい部屋のほぼ中央に存在した。
『それ』は触れると冷たいのだろうし、温かいのかもしれない。部分によっては硬く、部分によっては柔らかいのだろう。
不思議と『それ』は、喜びや楽しみに満ちている気がしてならない。
立派な白ひげをたくわえ、ふくよかで赤い服を着た老人は、『それ』を大きめの布袋に詰めると、トナカイの引くソリに乗って夜空を駆けていった。




