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1本の鉛筆  作者: 頭と尻隠したら誰にも気付かれなくなった。
1/1

始まり

高校1年の秋。

6限の授業を寝て過ごしホームルームでの担任の話を聞き流した月曜日の放課後。

教師に残った俺が手にしているのはまぎれもない1本のボールペンだった。

しかし、それは外見の話だ。

このボールペンには致命的な欠陥がある。

書けないのだ。

より正確に言うと、紙面に映らない。

書いた感触があっても紙にはなにも残らない。

マジックライトペンというわけではなく。

それでも、俺はこのがらくた同然のペンを捨てられずにいる。

なぜなら、これは後ろの席の近松楓に借りたものだからだ。

俺の属する教室は座席が6×6の配置になっているのだが、クラス人数が33人であるため1人だけぼっち席になってしまう。そして、その栄えあるぼっち席にいるのがボールペンの持ち主こと近松楓であった。

彼女は、気弱で内気な上滅多にしゃべらないためにクラスの女子勢から浮いてしまっており、親しい人とペアを組んで席を決めるという方式のこのクラスではぼっち席の常連さんだった、というわけではない。

席がくじ引きで決められるため、明るく人当たりの良い彼女がたまたまぼっち席に当たってしまったのだ。

この日、俺は日直の当番出会ったため学級日誌を書くことになっていた。学級日誌にはその日告げられた連絡事項の記入欄の他に自由記入欄というものがあり、そこにその日の印象に残った出来事や最近の悩みなどを書く。担任教師に提出するとコメントやアドバイスがもらえる。無論、提出しないという選択肢は存在しない。



















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