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終章
とある小さな街のとある酒場で、男二人が酒を交わしながら談笑していた。
「なぁ、知ってるか？ 最近魔人を退治して回っている騎士がいるって話」
「ああ、どっかの国のお姫様を連れて、大陸中を旅しているって話だろ？ 魔人だの退治だのなんて、ただの尾ひれの付いた噂話だろ？」
「そうだよなぁ。バカバカしい話だよなぁ。はっはっはっ！」
大声で笑いながら男二人がそんな会話をしていると、若い商人の男が横から突然現れ尋ねてくる。
「すみません。今の話はどこで聞いたのですか？」
突然のことに男二人は驚いたが、酒がいい感じに回っていたため、特に警戒することもなく商人の問いに快く答える。
「んん？ いやぁ。なんか、その騎士や姫がこの街にも来てるとかなんだとか、そんな噂を耳にしただけだよ。一体、誰がこんな与太話を広めているんだか」
「いえ、それが本当に実在するらしいんですよ。私も商売柄、街を転々としているのですが、『異国の騎士』なんて呼ばれて、結構有名になっているんですよ。私も一目見てみたいと思って噂を集めているのですが……」
商人の男が真顔で語ると、男二人は大笑いする。
「兄さん、面白いこと言うねぇ。若いねぇ。ここは奢ってやるから飲め飲め。あっはっは！」
終章「『異国の騎士』物語」-続く-
