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能面
次の日、
俺は遅刻することなく会社へ行った。
慣れない事が立て続けに起こったせいか
昨日はほとんど寝ていない。
あいつ、今日はキッチリ言ってやる!
俺は昨日の妻の傲慢な態度が許せなかった。
仕事を早く切り上げると
今日は定時で会社を後にした。
家に帰ると、早すぎる俺の帰宅に妻は驚いていた。
俺は単刀直入に言った。
「昨日のあれは一体どうゆうつもりだ?」
妻は驚いた顔から一変能面のような無表情な顔になった。
俺は少し、そんな妻に恐怖を覚えた。
俺の知ってる妻じゃない、、、
「、、、ああ、あれね、、、」
能面のような顔に
掠れた老婆のような声。
女っていうのはこんなに変わるものなのか?
押されながらも俺は言った。
「俺はお前の為に金を稼いできてるんだぞ?あんな時間に帰るのも仕方ないだろう!お前が今着ている服もこの家も、俺が汗水たらして稼いだ金なんだぞ!」