4/10
電話
玄関まで来ると
何時もの様に扉を開けて家の中へ入ろうとする。
「あれっ?飲んでないのに酔ってんのか、俺?」
今度は慎重に
ドアノブを掴み、右に捻って押す。
、、、おかしい、扉が開かない?
俺はチャイムを鳴らした。
しかし応答がない。
まさか、間違えて鍵を閉めたまま眠ってしまったのか?
、、、仕方のない奴だ、、、
俺は携帯電話を取り出すと妻に電話をかけた
呼び出し音がずっとなっている。
不意に呼び出し音が途切れた。
「あっ、俺だけど、」
プツッと電話が切れた。
何なんだ?俺は今、クタクタなのに
あいつ寝ぼけて切りやがった。
俺は少しイライラしながら妻に電話を掛けなおす。
呼び出し音がなっている。
妻が電話に出るのを待ちながら腕時計を見た。
ったく、帰って来てからもう10分も経ってやがる、、、
いつもなら今頃、キンキンに冷えたビールを飲んでる時間だ、、、
早く出ろよ、何してんだ。