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愛
戦い続ける運命のサラリーマン。
守るべきもの、それが彼らの剣となる。
愛すべきもの、それが彼らが戦う意味。
突如、戦う意味と戦う剣を失った男達。
そこに追い打ちをかける様に更なる敵が、、、、
戦う意味、剣を失った彼らが、
かっこ悪いながらも敵に立ち向かう、サラリーマン物語。
「サイン、お願いね、、、」
妻がメロドラマにありがちなセリフを呟き、
妻は荷物を詰め込んだキャリーバッグを引いて玄関へ向かった。
結婚10年、子供なし。
作らなかった訳じゃない、妻も俺も子供は好きな方だ。
俺は妻を裏切った事など1度もなかった。
妻の為に毎日必死に働いた。
俺の母は言っていた。
「貧乏だと、心も貧しくなる。」
そんな事を、言わせる男になりたくなかった。
だから、金で不自由な思いはさせていない。
それが幸せだと思っていたからだ。
玄関の扉が軋みながら大きな音を立てて閉まった。
、、、、俺はどこで間違えたんだ?