損益分岐点
掲載日:2014/12/31
計画通りに、どうにか推移しているようだ。
「社長、このままいけば、どうにか損益分岐点に到達しそうです」
「そうだな」
週に1回行われる取締役会議で、秘書が話してくれる。
「あと数千万円といったところか」
報告書を確認しながらもつぶやく。
今月の損益分岐点まであと数千万円。
今のペースだと達成ができそうだ。
「これで、100か月連続達成になるな」
「ええ、目標達成です」
取り締まりの一人が言うと、秘書が答えた。
会社の創業者の気持ち、利益が出て、みんなが幸せになる会社を作る。
この重要な第一歩を達成できそうだ。
「しかし残念なのは、創業者がそれを見る前に亡くなってしまったということだな……」
「そうだな」
社長として簡単に答えるが、あの不慮の事故は忘れられない。
しかし、と気を取り直して考える。
これでおそらくはいいのだと。
人間は、いつかは亡くなってしまうから、そのタイミングが今なだけだと。
翌週、無事に損益分岐点を突破したことが、取締役会議で発表された。




