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魔王の産声(旧:翁な青年の異世界冒険記)  作者: 亜狸
第3章 再開、そして
25/27

24話 国境の町

亜狸です。

第3章始めました。


 国境の町イスキア―――

 今から2世紀ほど前、帝国軍の侵攻に対抗すべく「エルグランド王国」「ハスタリエ共和国」「リリアンユ公国」の三国の間で締結された三国同盟に際し、各々の友好と信頼の証として、三国の国境境の丁度中心になる位置に、三国が協力し合い、町を建設したのが始まりとされる町である。


 イスキアは、三国の各々の特徴が交わるように重なりあった、ある種独特な文化を持つ町だ。町をざっと見渡してみれば、建築物は各国の建築形式が各々の特徴が融合し、まったく新しいものになっている。


 交易の中心地であり、各国の文化が入り混じり、常に目新しいものが造られていく最先端の町、それが国境の町イスキアである。


 各国の首都から遠く離れた国境の町であるのに、その活気たるや、各国の首都に劣る事はない。


 また、三国同盟締結に際し、バラバラに活動していた、傭兵や探索者などを有事の際の戦力として扱う為に各国の協議の末、冒険者協会が初めて設置されたのもこの町である。


 冒険者協会が設置された結果、三国は、これまで、荘園を管理する領主の持つ兵団、国が所有する王国騎士団などによって大きな負担と共に扱われていた、町の治安維持、魔獣の討伐、犯罪者の捕縛、有事の際の戦力などの一部を、一定の料金で冒険者に委託する事が出来きるようになった。


 また、戦争が終結した後、一斉に職を失う事によって起きる傭兵集団や兵士団の犯罪者集団化の防止や、雇用開発にも大きく役立つ事にもなった。冒険者は三国間をイスキアの協会本部を通す事によって、ある程度、条件さえ満たせば自由に行き来が出来る為に、必要な時に、必要な場所に派遣出来る、お手軽な兵団として国から重宝されているのだ。


 冒険者側からしても、騎士や兵士になれずとも、身一つで大きな収入や名声を得るチャンスにも恵まれ、滅多な事がなければ職を失う事がない冒険者という職は、非常に魅力的なものだったのである。


 こうして、お互いの利益と共に設置された冒険者協会の本部があり、三国へ行き来する際の拠点となるイスキアの町は、冒険者が多く集まる事もあり、冒険者の町としても、大きな発展を見せていったのだ。


 そして、そんな町に現在、シグルスとルミア、それにガライは訪れている。

 人々が行き交う大通りを、町の中心地にある冒険者協会を目指し、ガライに案内され歩くシグルスとルミア。

 ルミアは、露天で販売されている珍しい物品や小物などに目を輝かせ、シグルスは人ごみにやや疲れたような表情でガライの後ろを歩く。



「ガライよ、まだ到着せんのかの? わしゃあ少し疲れたぞ。」



 シグルスは疲れたといった表情でガライへと語りかける。ガライはシグルスの言葉に、ここに訪れる道中に人間離れした体力を見せたシグルスが、人ごみに疲れたと言っている姿に呆れたように苦笑いし言葉を返す。



「まあ、あと一寸ほど我慢してくれや、もうちょっとで協会本部だからな」



 シグルス達が何故この町を訪れているのかと言うと、時は遡り、這竜の事件より1ヵ月程経過したある日の事、傷も完治し、薬草依頼を達成したシグルス等が協会に訪れた際にガライに声をかけられたのだ。


 ガライが言うには、隣国のリリアンユ公国から協会に対し、協力要請が来ているとの事で、3級以上の冒険者で、特に依頼を抱えていない者は強制的に徴収され、エルグランド王国、ハスタリエ共和国の冒険者協会はリリアンユ公国に旅団を6個ほど編成し、援軍を出す事を決定したのだ。


 そして、3級以上の冒険者は、旅団の編成に際し、補給部隊や、後方支援部隊に4級以下の部下を推薦する事が出来るのである。


 一般的に3級冒険者は強者であり、その3級冒険者のガライを伸した事のあるシグルスは、ガライから推薦を受け、リリアンユ公国を目指す事になった。特に断る理由のないシグルスはガライの推薦を受け、ガライの部隊へと編制される事になったのだ。

 イスキアへ向かう道中、ガライから聞いた話では、毎年、この時期になるとリリアンユ公国には、大森林と言われる深い森から、魔獣が大量発生し、町に押し寄せるらしい。リリアンユ公国は、この時期になると自国の冒険者協会と、騎士団を招集し、この大量発生した魔獣の駆除を行うのだ。

 いわば恒例行事のような依頼であるのだが、どうも今年は勝手が違うらしい。


 リリアンユ公国の、大森林を監視する砦から、通常の2~3倍の魔物を観測したとの報告があり、リリアンユ公国は急きょ他国の冒険者協会へと依頼を送ったのである。


  

 ガライは仲間とイスキアで合流してから、リリアンユ公国に入国するらしく、シグルス等は、ガライの仲間と合流する為に、イスキアの冒険者協会本部を目指しているのだった。



「ほれ、ついたぞ、あのデカい建物が冒険者協会本部だ」



 ガライはそういって、町の中央部にある一際大きな建物を指さした。

ご意見・ご感想など頂けますとうれしいです。


ちょっと時系列飛ばし過ぎかなー、と思う反面、あまり無駄に文字数増やしたくないしなと悩む日々です。


あと、近い内に

「魔王の産声」

「若返り翁の異世界漫遊浪漫譚」

のどちらかにタイトルを変更させて頂きたいと思います。


再びタイトルがパクリくさいとご指摘いただきました。

個人的には「魔王の産声」が一押しなのですが、作品のイメージが損なわれるなどの場合、ご意見頂けますとうれしいです。


次回更新は11月1日(金)の20時頃を予定しています。

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