そのことりはだれのもの？

プロローグ

「どうして、あなたはおりの中にいるの？」

唐突に頭に降ってきた声は明るく高い幼児そのものの声だった。

膝につけていた頭をあげると、柵の向こう側に金色のきらきらしているものが揺らめいている。

「そこがあなたのおうちなの？」

金色の光からまた声が降ってくる。

まぶしいな。まぶしくて目が開けてられない。

光から降る声に応えたいと思っても身体が思うように動いてはくれない。

まぶしさに耐えられず、彼女は目をとじる。そうしてそのまま意識を手放した。