まさみちゃんのお父さんのこと
わたしには幼なじみのまさみちゃんという子がいた。
まさみちゃんには2つ下の弟がいて、お母さんは専業主婦でいつも家にいた。
両親共にいつも不在のわたしは、まさみちゃんのお母さんに助けてもらうことが多かった。
まさみちゃんのお父さんは、いつも家にいなくて、たまにしか帰ってこなかった。
わたしの母は、まさみちゃんのお父さんの話を、よくわたしにしていた。
まさみちゃんのお父さんには、美人なホステスさんの愛人さんがいること、その人と一緒に生活してるから、たまにしか帰ってこないこと、そして、まさみちゃんのお父さんが、まさみちゃんのお母さんのことを「あんなデブ」と馬鹿にしていて、「あんなデブ抱けるかよ」と母に話したらしいこと。
母はそのことを自慢気に話し、まさみちゃんのお母さんを馬鹿にして笑っていた。
その話を何度も、幼稚園児のわたしにしていたぐらいなので、余程その話をするのが好きだったのだろう。
ある日、まさみちゃんのお父さんが久しぶりに帰ってきた。
前の日に「明日はお父さんが帰ってくるから遊べない」と、まさみちゃんがうれしそうに話していたから、帰ってくることは知っていた。
その日の朝、まさみちゃんのお父さんがうちに来た。
まさみちゃんと弟を遊園地に連れて行くから、わたしも一緒に連れて行こうかと誘いに来てくれたらしい。
その日は母が家にいて、まさみちゃんのお父さんが来ると声色を変えてドアを開けた。
そして母は甘えたような声で、しばらくまさみちゃんのお父さんと話をしていた。
その話のあと、わたしを遊園地に一緒に連れて行ってもらうことになったと母から聞いた。
母は玄関でまさみちゃんのお父さんにお金を渡し、わたしはまさみちゃんたちと一緒に車に乗って、遊園地へ向かった。
途中のラーメン屋さんでお昼を食べた。
まさみちゃんと弟はテーブル席、わたしとまさみちゃんのお父さんはカウンターに座った。
まさみちゃんのお父さんは、なぜかわたしにラーメンを一口ずつ食べさせてくれた。
わたしはそれが何となく嫌だったので、「自分で食べれる」と言ったが、まさみちゃんのおとうさんは一口ずつレンゲにすくって、フゥフゥしてわたしに食べさせた。
そして、上手だねぇと褒めながら、わたしの髪をずっと撫でていた。
まさみちゃんはヤキモチを妬いて、怒って泣いていた。
遊園地について、いろんな乗り物に乗った。
乗り物はほとんど、まさみちゃんと弟、わたしとまさみちゃんのお父さんという組み合わせで乗った。
夜、遊園地で花火が上がった。
みんなでポテトを食べながら花火を観た。
すごくきれいだった。
帰りの車も行きと同じように、まさみちゃんと弟が後部座席、わたしは助手席に座らされた。
本当はまさみちゃんの隣に座りたかった。
まさみちゃんと弟は、車が走り出してすぐに寝てしまった。
わたしは話し相手もいなくて、つまらなくて、緊張して、寝られなかった。
だから窓の外の景色をぼーっと見ていた。
まさみちゃん、起きてくれないかなぁと思っていた。
まさみちゃんのお父さんの左手が伸びてきて、わたしのスカートをめくった。
びっくりして固まってしまった。
だけど怖くて、まさみちゃんのお父さんの顔やその手は見れず、窓のほうに顔を向けて目を瞑った。
まさみちゃんのお父さんの手は、わたしの膝をしばらく撫でていた。
わたしは、どうしてそんなことをされているのか全くわからなかったけど、とても嫌な、変な空気を感じた。
手はだんだん上に移動して、パンツの中に入ってきた。
わたしは怖くて、パニックになった。
どうしていいのかわからないけど、心のなかでママを呼んだ。
ママは助けてくれるような人じゃないことはわかっていたけど、それでも、「助けてママ…」と願い続けた。
幼いながらに、何となく、今起きていることがどういうことなのか察した。
わたしは、自分がとても汚れて汚くなっていくような感覚がした。
とても汚い、取り返しのつかない、汚物になっていくような感覚。
親だけじゃない、他の大人も敵なんだと思った。
どれだけの時間、そうされていたのかわからない。
すごく長く感じたけど、もしかしたら短い時間だったのかもしれない。
手がさっと引いて、まさみちゃんの弟が起きた。
その後まさみちゃんも起きた。
それから少しして、家に着いた。
母が出てきて、まさみちゃんのお父さんに、甘えたような声でお礼を言った。
家に入って、お風呂に入った。
体を洗っても、洗っても洗っても汚れが取れない気がして、何度も洗った。
それでも、自分がとても汚いままなのは変わらなかった。
お風呂を出て、寝る前に母に言った。
言い出すのに、とてもドキドキして怖かった。
わたしの話を聞いて、母はわたしに怒った。
「何言ってるの!?そんなことあるわけないでしょ!」
「まさみちゃんのお父さんはモテるんだから、あんたなんかに手を出すわけないでしょ!」
「そんな変なこと考えるなんておまえはやっぱり淫乱なんだよ」
母はわたしを憎しみをこめたような目で睨みながら怒り続けた。




