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【悲報】ニート ワイ、異世界でチートなし ~しかも1日12時間以上屋内にいたら爆発する呪いかかってるンゴ~  作者: 毒の徒華


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これはチートアイテムなんか!?




 シュールストレミングと書かれたパンパンに膨張した缶詰が、宿屋の床に転がっとる。


 これを開けたら、右腕が切り落とされたあの時とは別の意味で比べ物にならないほどの地獄が始まる!

 臭すぎて痛いとかって感じるんか?

 少なくとも呼吸困難になって死ぬ可能性はあるンゴ。


「アークたそ、アカン! これ、ワイが死ぬかもしれへんンゴ!」


 アークたそは缶詰めが何か分からず興味津々で缶詰を見つめとる。


「『シュールストレミング』? これ、真太郎の元の世界のものなの? パッケージの見た目は魚っぽいけど食べ物?」


 アークたそは見たこともない缶詰めにかなり興味があるようやった。


「た、食べ物やけど……食い物ちゃうンゴ! これは元の世界で『世界一臭い食べ物』とされてる発酵魚の缶詰や! 開けたら尋常じゃない悪臭がして、人間は発狂するンゴ!」


 ワイは必死に、悪臭の危険性を訴えた。

 ちょっと誇張してるかもしれんが……フツーに気絶するくらいはするかもしれないンゴ。

 呼吸困難で死ぬかもしれん。

 それに、こんなのの匂いが身体についたら大変な事になるやろ!


「この缶の中は二酸化炭素でパンパンになってて、圧がかかっとるんや! 開けた瞬間、ガスがブシャーって吹き出て、その臭いを嗅いだ人間は嘔吐し、精神崩壊するんや!」


 こんな物騒な説明をしてもアークたそはますます興味深そうに見てるンゴ。


『ナビゲーター:「嘘は言ってへんけど盛りすぎや」』

「盛らんでこれや! 飛行機の機内で開けたら運航停止になった前例もあるんやぞ!? これを前にしたワイはただの一般市民や……対処不可の異物や!!」


 こんなんで飛行機飛ばなくなるとか当時は「バカスwww」って思っとったけど、その危険物がまさに目の前にあるんや。

 笑えないことになるやで!


「精神崩壊か、面白いね。致死性は?」

「え、えーっと……致死性は低いらしいけど(っていうかこれで死んだって話は流石に聞いたことないけど)、ワイが発狂するかもしれへんンゴ!」


 アークたそは缶詰をじっと見つめて、静かに魔法で分析しとった。

 そんなことして爆発したりせんのか!?

 ワイは怖くてとりあえず部屋の窓を開けたンゴ。

 もうこの部屋からその缶を投げ捨てたいくらいやった。


「ふーん、これの匂いを嗅げば活動不能になる効果は極めて高いようだね。白聖盟の連中を祠からどかすにはちょうどいい」

「でも……でも開けるのは、ワイなんやろ?」


 ワイはアークたそに恐る恐る尋ねた。

 アークたそは無表情で、冷徹な事実を突きつけたんや。


「大丈夫、これを爆破した後に風魔法で空気の流れをコントロールするから」

「アークたそ……ワイ、怖すぎるンゴ……」

「私がついてるから信じて」


 キュゥゥゥゥゥゥン……!


 今の一言で心臓やられたンゴ。

 アークたそに言われたらワイ何でもやってまう……!


 ワイ、アークたそを信じるンゴ!

 まぁ、こんなものは臭いだけで死ぬわけじゃないンゴ。


 これを頑張ればアークたそに褒められるんや。


 右腕を失ったあの瞬間よりも、アークたそに嫌われる方が怖いンゴ……!


「お、おかのした! ワイ、やってやるンゴォォォォ!!!」

『ナビゲーター:「やけくそやんけ」』

「どうせ安価は絶対や! 決行するしかないンゴ!!」


 ワイは破裂しそうなシュールストレミングの缶を恐る恐る持って、祠のところにアークたそと一緒に移動したんや。




 ***




 ワイはアークたそから渡された長袖の作業着をしっかりと着て、シュールストレミングの缶を大事に抱えてたんや。

 今爆発したら大変な事になるンゴ。

 奴隷紋は袖に隠れているし、白聖盟の奴らに見つかっても今度は殺される可能性は低いはずや。


「こっちは風上だし、風魔法で向こうに風を送るから」


 アークたそが魔法を展開すると、風が白聖盟の連中の方向に流れてるのが分かったんや。

 強風ではないけどそれなりの風が白聖盟のやつらの方に向かって吹き始めた。


 白聖盟の奴らを見るとワイは腕を切り落とされたときのことを思い出して、恐怖で呼吸が浅くなっとった。


 でも、怖がってたらアカン。

 復讐したる!

 絶対に許さへんからな!


『ナビゲーター:「手段が小物すぎて草」』

「やかましいわ!!!」


 うおおおおおおおおおおおおおお!!!

 これでもくらぇええええええええええ!!!


 ワイは目をつぶり、シュールストレミングの缶のフタを必死に開けた。


 パァン!!!


 パンパンに膨らんだ缶から、ガスが爆発したように噴き出したんや。


 ウボァーッ!!!


 凄い勢いで悪臭が出たはずやったんや。

 でもアークたそが全部コントロールして一切匂いはしなかったンゴ。

 世界一臭いっていうけど、どんな匂いなんやろ……? ってちょっと好奇心はあった。

 でも、匂いを嗅いだら絶対後悔するに決まっとる。


 ワイが直接嗅がなくても、遠くで白聖盟の連中が次々と叫び声が上がったんや。


「な、なんだこの臭気は!?」

「臭すぎる!! 吐きそうだ……!」

「総員この場から撤退だ! 安全確保しろ!」


 そんな声が聞こえたンゴ。

 やっぱりシュールストレミングの威力はすさまじかったんや。


 草ァァァ!!!

 遠目でも分かるくらいに阿鼻叫喚になっとる!!


 マジざまぁwww

 でも、ワイに酷い事をした報いがこれだけじゃちょっと物足りないンゴ。


 アークたそにお願いしたらあのいけ好かないイケメンをやっつけてくれるんか?




 ***




 作戦成功。

 白聖盟は祠の周辺から完全に逃げ去った。


「あ、アークたそ……あの臭い奴回収してクレメンス」

「回収してどうするの? 食べる?」

「無理ンゴ!」

『ナビゲーター:「食わず嫌いはアカンでイッチ」』

「食う前に気絶するンゴォオオオオオ!!」

『ナビゲーター:「いつか食べる展開あるでこれ」』

「絶対嫌ンゴ!!」


 アークたそはシュールストレミングの缶を異空間に放り込んどった。

 異空間全部が臭くなってしまうかもしれないやで?

 大丈夫なんか……?


「見事に白聖盟のやつら逃げてったね。面白い。ははははは」

「ざまぁやでwww」

「じゃ、早速祠を破壊してきてくれるかな。いつ戻ってくるか分からないし」

「おかのした! ワイに任せてクレメンス!」


【朗報】命懸けの悪臭作戦、成功www




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