【伝説】ワイ、やっぱり最弱だったンゴwww
ワイは自分の能力に期待しとらんかった。
でも、本当は……本当は土壇場で能力が発揮されて俺TSUEEEEE!!! ってできると思ったんや。
でも、闘技場でワイの番、開始5秒で終わった。
「うわあああああああああ!!!」
ゴンッ!!
ワイは気づいたら地面と仲良くしてたンゴ。
ワイもアークたそと同じく剣で挑んだんやが、重くて振り上げるまでできなかったンゴ……
こんなもんをみんな軽々振り回しとるんか?
ゴリラやんけ。
『ナビゲーター:「秒殺で草」』
「う、うるさい……っ!」
観客が嘲笑混じりの歓声を上げる中、ワイは砂まみれで立ち上がった。
撃ち込まれた腹のところがめちゃくちゃ痛いンゴ。
上から見下ろすアークたそが、仮面越しに――――いや、仮面をしてても分かった。
ちょっと笑っとったわ。
ほんまに恥ずかしいわ。
ここで漢を見せようと思っとったのに、とんだ生き恥さらしやった。
「アークたそ、絶対楽しんどるやろ……」
ワイが退場しとるときに、アークたそはもう動いてた。
ア、アークたそ!? なんや、そんなにやる気あるんか!?
アークたそが強いのは分かっとるけど……どうなるんやろ?
ワイはアークたそが戦うのを見るのが楽しみやったんや。
ワイの嫁がTSUEEEEEEEE!!! でもいいンゴ。
ワイが強いのが1番かっこよかったけどな、この際ワイの嫁が強いのでもええ。
むしろ、守ってもらえるの最高やんけ!
ワイは席に座って、アークたその試合を見届けることにした。
闘技場では、次の試合の呼び声が上がったんや。
第一戦。
相手は赤毛の斧使いやった。
筋肉ゴリゴリで「俺様が最強だ!」タイプやで。
あの斧が模擬戦用の斧だったとしても、あんなので殴られたら普通に死ぬで!?
あんなの使ってもええんか!?
ワイがあわあわしとる間に試合は始まっとった。
「仮面の嬢ちゃん、手加減はしねぇぜ?」
観客が「おおーっ!」と湧いとる。
こんなの……元の世界では許されないことやで。
あんなのがワイの相手やったら、ワイ普通に死んでたで!?
一方、アークたそは特に何も言わず剣を片手に軽く構えるだけやった。
あんな重い剣、片手で持てるの凄い……
ゴリマッチョが突進してきた瞬間
スッ……
音もなく横に避けた。
ワイには動きが見えんかった。
早すぎて瞬間移動したみたいやった。
……でも、空間転移魔法が使えるんやから、ほんまに瞬間移動してたんかもしれん。
アークたその剣が斧の柄を軽く叩いたんや。
そしたらパキン、と斧が真っ二つに割れた!
「ファッ!?!?!?」
嘘やろ……強度が全然違うんとちゃうんか?
そのままアークたそは剣の腹で相手の腹を叩いた。
ゴリマッチョは「ぐぼぁっ!」と泡を吹いて崩れ落ちてた。
『ナビゲーター:「威力エグすぎん? やっぱりアークは只者やないで」』
「ほんまになんとかって災厄なんか……? でもそれはそれで厨二心をくすぐるからええよな」
『ナビゲーター:「楽観的にもほどがあるやろ」』
「あれがワイの嫁やで」ドヤァアアアアア
ワイはナビゲーターに向かって、この闘技場の観衆全員に向かってドヤ顔したったわ。
あれはワイの嫁やねん。
アークたそは特に勝ち誇る様子もなく、退場した。
観客の一部がざわついとった。
「誰だあの仮面の剣士は」
――そんな声が広がっっとった。
第二戦。
アークたその今度の相手は双剣の女剣士や。
女剣士ゆうてもワイが期待してるようなエッッッッッな露出の多い軽い装備ちゃうかった。
ガッツリ甲冑みたいなん着とる。
女かどうかわからへん。
アークたそがめちゃくちゃ軽装備なのに、あんなの反則と違うんか?
「仮面の子、悪いけど私、女相手でも手加減しないから」
「…………」
アークたそは黙ったまま、また構える。
女剣士がアークたそに切りかかると(ゆうても模擬用の剣やから切れないやろうけど)、観衆は歓声をあげとった。
……?
あれ、アークたそなんか手加減しとらんか?
わざと、当たるか当たらないかギリギリの距離を保ちながら戦っているように見えるンゴ。
あんなのワイの嫁やったらワンパンのはずなのに。
「逃げないで戦いなさい!」
女剣士が突きを繰り出す。
アークはそれを軽く受け流し、逆に相手の足を剣で払ったんや。
「きゃっ!」
尻もちをついた女剣士は鎧の重さ分ダメージを負ったようやった。
すぐに起き上がれずにおる。
アークたそは首のところの鎧の隙間に剣を差し込んで、静かに言った。
「まだ続ける?」
観客は「おおおおお!!!」と歓声が湧き上がったンゴ。
『ナビゲーター:「抑えとってこれか。バケモンやで」』
「コラァッ! ワイの嫁を悪く言うなや!」
『ナビゲーター:「まだ結婚しとらんやろ」』
「事実婚やで」
『ナビゲーター:「お人形さんしまいましょうね~www」』
「やかましい!」
そんなやり取りしとる間に、第三戦や。
今回の相手は魔法使い。
青白い光を纏い、雷撃を操る青年やった。
そういえばアークたそ、魔法使ってないけどなんでや?
魔法縛りなんか?
「剣士風情が……魔法使いに勝てると思うな!」
ふふん、ちゃうで。
アークたそは魔法も使えるんや。
剣も使えることにワイは驚いとるけどな。
観客席がざわついとった。
「あんな軽装備で雷魔法を食らったらただじゃすまないぞ」
「流石に魔法防御あるだろ」
「バフがかかってるようには見えないけど」
ファッ!?
アークたそ大丈夫なんか!!?
アークたそは無言のまま前へ出る。
青年が魔法を詠唱し、アークめがけて雷を放ったんや――――
ドゴォォォォンッ!!!
煙と砂埃が巻き上がる。
観客が息を呑む中、アークたその影が煙の中からゆっくりと現れた。
そのときにはもう、魔法使いの青年はアークたその剣で(剣だったかどうかは正直見えとらんからわからんけど)倒れとって床にのびてたんや。
「な、なんで……!?」
「なにがあったんだ!?」
「お、おおおおおおおおお!!!」
チートすぎるやろおおおおおお!!!
アークたそは何も言わず、ただ淡々と勝利を重ねていった。
三戦三勝や。
なんでや?
派手に魔法でも使って勝てばええのに、なんで剣でやるんや?
ワイには分からんかった。
アークたそに聞いてみるンゴ。
試合を終えて控え室に戻ったアークたそのところに行った。
「どうしたの」
「いやぁ、凄いわアークたそ。めっちゃ強いわ」
「まぁね」
「疲れへんの?」
「別に。飴舐めたいけど仮面が邪魔で舐められないのが難点」
絶対まだ余力あるやん……
「なんで魔法使わへんのや?」
「殺しちゃうから」
ファッ!!?!?
な……なん……そうなんか……?
「で、でもさっき相手は魔法打ってきてたよな?」
「そうだね、当たってたら死んでたかも」
「ファッ!!?」
な……そうなんか……? それが普通なんか……?
この世界、そんな恐ろしい世界なんか……?
ワイはガクガクと震えた。
「大丈夫だよ、殺さないからさ」
「そ……そか」
「じゃ、次の試合あるから」
そんなこと言ってるアークたそが怖かったンゴ。
でも、これはアークたそ流のブラックジョークなのかもしれへん。
はは、ははははは、そうや、冗談や。
『ナビゲーター:「現実逃避してて草」』
そうして迎えた四戦目。
審判が名を告げたんや。
『次の試合――──白聖盟、聖痕のアシェル!』
観客席が一気にざわついた。
「あの白聖盟の上位がエントリーしてるのか!?」
「聖痕のアシェルが相手じゃ、勝てないだろうな」
「早く次の試合始めてくれ!」
なんや、白聖盟って……
『ナビゲーター:「こっちの世界の宗教やな」』
「宗教なんか……こっちの世界でもあるんやな」
『ナビゲーター:「アークの心配せんでええのか?」』
「そ、そうや、がんばえー! アークたそぉおおおお!!!」
白いマントの男、アシェルが闘技場に現れたんや。
そいつが現れたの同時に、めっちゃ黄色い声があがった。
「アシェル様ぁああああああ!!!」
「こっち向いてぇえええええ!!」
「きゃあああああああ!!!」
うるっさ……
なんやねん……
『ナビゲーター:「イッチが異世界転生で憧れた超絶高ステータスのイケメンやでwww」』
なんやねん!
いけ好かん!!
ワイだってイケメンに転生するはずやったのに、許せないンゴ。
『ナビゲーター:「ひがんでる場合ちゃうでイッチ。超絶イケメンにアークが惚れるかもしれんで?」』
「ファッ!!?」
結局顔なんか!?
ただしイケメンに限るんか!!?
いや、そんなことない。
アークたそはワイの嫁や。
それにイケメンに興味があるようには見えないンゴ。
そうや、そうに決まっとる。
『ナビゲーター:「都合の悪い事は全力で目をつむるのやめたほうがええで」』
「やかましい!」
【悲劇】ワイの嫁はワイだけのものや! イケメンなんて選ばないンゴwwwww




