40.王様ゲームは突然に始まります……っ!?
「二番が、変顔10連発!」
俺じゃねえかよ!
「……俺だ」
割りばしの番号を見せる。
この瞬間、学校一のイケメンは静かに安堵した。
――よっしゃァ! 女子に当たっていたら、これはもう大ピンチだったんだぞ! ここに男は二人しかいない。つまり、四分の一の確率だった! 危なっ!
「……仕方ない。ここは男として、腹をくくるよ」
「にゃ」
「うっ」
「おふっ」
「アイーン」
「鬼瓦!」
「縦眉毛!」
「うふんっ」
あとは、あとは……。
「ヒーっ」変顔トラップと……。
「般若っ」
やべ……レパートリーが……あとは何を……あっ進〇の巨人の……。
「ッ……!」
ぐぎぎぎぎぎぎっと、歯を食いしばる……迫真の演技。
しかし、誰も笑わない。
「みんなっ……」
俺が手を伸ばしても、ガンスルー。
「二回戦行きましょうか」
「っぐ……」
「「「王様、だーれだ!」」」
次は、三番か……王様ではない。
「うっし!」
ガッツポーズをしたのは、優香ちゃん。
まあ……優香ちゃんなら、すごいのはぶっこんでこないはず。
「くうううッ……私が始めたのに、私に回ってこないなんて……っ」
と、静かに嘆くちひろちゃん。
「まあまあ……」
「うーん……命令は――――四番と一番が、間接キス!」
「どうよ、良いところじゃない?」
いやいや全然まずいぞ……!
まず、四番も一番も俺ではないということ。
四番と一番が、凜と優斗君だったら最悪だ。目の前でそんなことになったら、お、俺は――――っ!
「一番は、私アル!」
「四番は……私だ」
凜っ!
まあ……女の子同士なら、まだ大丈夫と考えていいよな。
チラッとアナスタシヤを見て、はあと息を吐く、凜。
「……これ、絶対なの?」
「絶対だよ! 命令だからね!」
「……え」
「逆らうなら、絶交だから」
「っう……」
「じゃあ、その自分たちの飲んでたジュース交換して」
いやいやながら、二人はコップを交換した。
転校生のアナスタシヤちゃんが飲んでいたリンゴジュース。
凜が飲んでいた、オレンジジュース。
まだそれほど減っていない。
「それ、全部飲んでもらうから」
凜の耳元で、低い声で呟いた。
「っひ……」
凜が脅える。生憎、凜が飲んでいたオレンジジュースは結構減っていた。リンゴジュースは、半分よりちょっと多いぐらい。
「……や、やっぱ無理。アナスタシヤとは絶対したくない」
「な、なんでアル!」
「なんとなく……アル中が移りそう」
「なんで最初っから、アル中認定されてるアル! ロシアは18歳になるまでお酒飲めないアル! 私
飲んだことないアル!」
「それにさっき……コップの縁ぺろぺろして遊んでたよね」
「ッ! 冤罪アル! そんなことしてないアル!」
驚きの事実。
いつの間に!?
「つべこべ言ってないでやるよ~」
優香ちゃんが、言う。恐ろしい、結構しっかりしている。
「凜とアナスタシヤのちょっといいとこ見てみたい! それイッキ! イッキ! イッキ! みんなも!」
言われるがままに、俺やちひろちゃん、優斗君も、コールを始める。
「っく……!」
嫌な顔をしながらも、凜はしっかり飲み干した。
アナスタシヤちゃんも、一瞬でぺろりと飲み干した。
「はあ~オレンジジュース初めて飲んだアル! 美味しいアルね!」
「三回戦目に行きましょうかぁ~っ! はい、せ~の」
「「「王様、だ~れだ!」」」
皆が一斉に割り箸を引く。
「やったぁぁぁぁああっ! ようやく私の番が来ました! 私ですよ! ちひろちゃんが、王様ですよ!」
はっはっはと豪傑笑いをする酔っ払い。
「う~んっ、何にしてやろうかな~っ!」
わくわく、ニヤつく。時計をチラッと見て、午後九時。
「うふふふ……まあ、夜も更けてきたことだし、そろそろギアを上げても……んふふふふ」
「二番と五番が、ふか~いキス!」
嘘だろ……っ!
「……俺、二番だ」
キスだなんて……どのメンバーとやっても、おっさんが悪者になりかねん!
相手は、相手は――誰だ!
「……あ、私が五番」
そうつぶやいたのは、凜だった。
「――――っ!」
みなさんおはようございます!今日は電波が悪いですね~入りません。うぇーい!今日も生きていきましょう!
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