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03. 学校一のイケメンは、うちの娘にメロメロです!

「―――気色悪い。いい加減、やめて」



「ほとんど話したこともないし、先輩のくせに。もっとやり方あるでしょう」


「っぐ……」


「それとも今までの雌は、そう言えば簡単に受け入れてくれたんですか?」


「っぐへ……」


「ふはっ、だとしたら、その雌のレベルは最底辺だし、貴方のレベルも最底辺のクズだと思います」


「ぐああああああああああッ!」


 そこまで言わなくてもよくない? と思ってしまうほどの()りっぷり。


 凜はそう言い放つと、再び席について食事を再開した。

 優斗は恥ずかしくなって、その場を逃げ出すように走っていった。


「今日も懲りないね、山崎先輩」

 優香が、他人事のように言う。


 山崎優斗、という人間は凜が入学当初から告白を継続している。何を言っても、聞かない。

 止める方法は、ただ一つ。

「付き合っちゃえば~?」


「付き合うとか、絶対無理。あんなの、めちゃくちゃにされるか、全然だめのどーてーで、何にも楽しくないでしょ。第一、好きでもない人と付き合えないから」


 だんだんといつもの調子に戻っていく、凜。先ほどの威嚇するような低音は、中音にまで上がった。


「こーんなに、かっわいいーのに、男嫌いで誰とも付き合わないなんて~っ! 本気で好きになった人が現れたときに、恋愛したことないなんてバレたら大変だぞ~」

 うりゃうりゃ、とほっぺをぐりぐり押される、凜。


「……優香ちゃんだって、可愛いのに彼氏いない」

 少し怒ったように、凜は言う。

 優香という少女は、ワンレンのショートカットでスタイルも良く、胸も凜程ではないがそれほどにある。

 学校では凜に次ぐ美人で有名だ。


「私はいいのー。彼女がいるから」

 にやっとして、自慢げに、優香は言う。そして、一枚の写真を凜に見せつけた。

 垂れ目の、柔らかいショートカットの女の子。年はきっと変わらないぐらいの。


 実を言うと、彼女には、彼女がいる。もう付き合って三年になる、彼女が。毎日毎日凜はこの時間、優香ののろけ話を聞かされている。

 だから、うんざりして『彼氏いない』などと言ってやったのだが、逆効果だった。

 今日も今日とて、ラブラブらしい。


「かわいっしょ? アンタも早く彼女でも彼氏でもいいから作んなよ」

「……ッチ」

「うわ、こわー。八雲さまが、舌打ちしたわよ。SeeRealに上げたろ」


 パシャパシャと写真を撮られる。

 しかし、凜は無反応。


「どしたん? 凜?」

「……やっぱり、男には慣れておいた方がいいのかな」

「え?」


 凜が、ここまで男を嫌う理由はただ一つ。過去に何度も、そう言った被害に遭ったからだ。中学時代が一番ひどく、一人で外を歩いていれば必ずと言ってもいいほど、奴らが現れた。


 だから、龍之介と一緒に登下校をしていた。


 今でも電車など密集しやすい場所では、簡単に引っ張れるように防犯ブザーを持ち歩いているほど。


 それほどまでに怖い思いをした彼女にとって、男とは、雄とは、獣である。





 それを凜は今この瞬間、向き合い受け入れようとしている! 何故かわからないが。

 中学時代からの親友として、非常に感動する優香だった。


 男なら、誰でも反応してしまう彼女の隣にいると、トラブルはつきものだったため。

「私の仕事が減る……」

 涙を流しながら、感動に浸る優香。


「あ……」

 凜が、お弁当箱を包もうとした時、あるものに気が付いた。

 龍之介が書いた、小さなメッセージカード。そこには。


『午後の体育、頑張ってな! バレーボール、スパイク決めろよ!』

 という言葉と、可愛い猫がトスを上げている絵。


「ふふ」

 嬉しくてたまらない凜は、すぐさま手帳を出しそのカードを張り付けた。手帳は、龍之介が毎日書いてくれるこのカードを保存しておくためのものだ。


「飽きないね。毎日そんなことやって」

「……だって、りゅうのこと大好きだもん」

 そう言って、凜はスマホで龍之介へ向けメッセージを送る。


『りゅう、メッセージありがとう。バレーボール頑張るから、帰ったらおいしいご飯いっしょにたべよう』

 送信。


「あっ、そうだこれ上げるよ。男嫌いを克服する、私のとっておき!」

「ん?」


 突然、優香が言い出すから何事かと思うと、優香はスクバをがさごそと探る。


「あった、あった!」


 取り出されたのは、一冊のマンガ。

 名前は――――オレ様キ○グダム。三人の男子、一人の女子、そして一匹の猫。


「……いい」

「ええ~っ? 面白いのに~」

 凜は立ち上がった。まだまだ、昼休みの時間はある。いつもだったら、チャイムが鳴るまで話しているのだが。


「凜? どっか行くの?」

「うん」




「―――告白しに、行く」



「え?」



皆さまおやつ時に失礼いたします!夏神ジンでございます!突然ですが、貴方様のお好きなお菓子は何ですか?私は、あれば何でも食べてしまうタイプなんですか、やはり好きなのは黒豆のせんべい!と、チョコチップクッキー!生地に何かが仕込まれているタイプが、大変好みでございます。

キャラクターも、何の変哲もなさそうで何かを隠し持っているキャラクターがタイプだったりします……あとはギャップ。

ぜひぜひ、何でもいいのでコメントを残して言ってもらえたら嬉しい限りでございます!ブックマークもよろしくお願いします!!

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