終わりにしよう。これが最後の戦いだ。
ラーラが死んだ。
それが、ここに戻ってきて最初に知ったことだった。
血溜まりの上で寝そべって、ピクリとも動かないその様子を見て、僕はそう確信した。
地球くんはころころと転がっている。
まるで意思のない物みたいに、ただ転がり続けている。
回転が止まるその時まで永遠に転がり続ける。
なんとなく、そんな気がした。
消えかかる幻影の体。
四散し原型すら留めていないその正体は、あのふざけた名前の神だろう。
カミノは消えた。
姿は見えない。だが力は感じる。
しかし場所はあの男の中。
ここにいる中で、唯一五体満足で立ち尽くしているあの男。
覇道道正はこちらと面を合わせて、ニヤけた面を浮かべている。
まるで、欲しかったものをやっと手に入れた時のようだ。
「白い部屋というのは汚れが目立つ。貴様があまりにもこないもので、暇つぶしに掃除の一つでもしようと考えていたところだ」
「今更に聞きたい。お前は人を殺して、なんとも思わないのか?」
「思うはずがないだろう? 神にとって、人は虫だ」
「なら神は?」
「必要な犠牲だ。だがこれからは虫になる」
神の姿は崩れ去り、人の姿へと羽化する。
一見すれば誰もが人と疑わないその風貌。
しかし、背中から広がる翼はそれを否定した。
虹に輝く6枚の翼は、生物における翼の役割を有してはいない。
それがはっきりわかるのは、あの虹の輝きの正体を僕は熟知しているから。
可能性エネルギー。
翼に集まる可能性エネルギーの光は、普通ではあり得ないほどの輝きを放つ。
あれは2億や3億そこらで出せる光じゃない。
それを那由多に超えたその先の光。
正真正銘の神の姿だった。
「やはり人か。神が生物をデザインしたのなら、その頂点に立つ存在こそが神の形そのもの。この姿こそが、仮説が事実であることの証明……暇つぶしで考えたことがこうも正確に的中するとは。心の底から驚いているよ」
しばらく自身の体を眺めた後、長々しい台詞をすらすらと驚いたように読み上げる。
「わからないでいるようだから教えてやろう。これは真の神の姿。未熟で未完成で力のない虫共とは違う、正真正銘の神の姿だ」
「ご丁寧に。虫の姿で意気がるお前の貧弱すぎる理想の答えで笑えてきたよ」
「圧倒的とは実に心地が良いものだ。たかだか虫の言葉程度では、私に響かぬ届かぬぞ」
どうやらヤツは、僕を圧倒的なまでに下に見ているらしい。
新しく身に着けた力とやらは、僕らに殺しかけられたあの時よりも遥かに凄いもののようだ。
でなきゃ、殺されかけた人間にあそこまで余裕でいられる理由がない。
ああどうしよう。
本当に勝てるのかな?
不安になってきた。
弱気になっちゃ駄目なのはわかるけれど、あんなの見たら足だってすくみそうになる。
勝ち筋はあるけれどそれが絶対に有効とはいえないし、有効ならどんなに強いやつにも勝てるけれど、それにだって攻撃を自力で当てなきゃいけない弱点がある。
そんなのタラレバが積み重なって、大きく見えて、次第にどんどん怖く思えてくる。
そんな自分は押し殺せない。
恐怖だって必要だ。
だから一つ自分に言い聞かせる。
やらなきゃ終わりだ。
終わりたくないのなら、勝ち以外にありえない。
勝て。恐怖すらも武器に変えて、あの圧倒的強者に、敗北の味を教えこんでやれ。
手に握りしめていた欠片をナイフに変えて、僕は覚悟で闘志を燃やす。
「なら響くようになるまで、なんども叩いて鳴らすとするよ」
「虫から羽虫になったところで虫は虫だ」
その闘志は絶やすことなく、僕の心をたぎらせた。
苦手なものは銀杏と獅子唐とヨーグルト。
どうも私です。
やっと最終決戦始まりました。
ここまで長かったし、正直後付けいっぱいしたけど、なんとかここまでやってこれました。
それもこれも全部見てくれる人達のおかげです。
たぶん誰も見てなかったら書いてないし。
そんなわけで、なんとか頑張ります。
目標は、イナイレ新作発売までに二章完結させることです。
寝ます。




