3.最速攻略始めました
「第一エリア、全滅!第二エリア、壊滅!第三エリア、消滅!?」
こちらは、悪組織のとある基地。の、管制室みたいなところ。
ついさっきまで仮眠をとっていた彼らは、突然の来訪者によって、緊急対応を余儀なくされていた。
「消滅だと!? いったい何者だ!」
責任者に言われるまでもなく、確認を急ぐ。
しかし、そのどれもに侵入者の姿なぞ写ってはいなかった。
「ダメです!監視カメラには何も写っていません!それどころか……次々と破壊されている!?」
次々と映像が連鎖するように途絶えていく。
彼らにとって、その光景はあまりにも異常だった。
なぜならこの基地は、したっぱから何まで超能力者だらけ。
もし本当に何かの間違いで殺られるにしても、たった一人であろうと、ある程度の時間は稼げるはずなのだ。
しかしそれがどうだ。監視カメラが姿がとらえられないほどに、圧倒的な力でスピード攻略されている。
その事実は、最深部付近にいる自分たちでさえ、恐怖心を覚えるほどのものだった。
しかし、その恐怖心を越える意味不明度に、逆に冷静になれていた。
「さっきまでの映像も確認して見たが、写ることもなく、気づけば映像は砂嵐。おそらく、写らないほどの速度で移動しているんだろう。ったく、本当に何者なんだ?」
それを聞いた責任者の頭の中には、ある考察がたった。
「生命の魔力を操る男……やつが来たのかもな」
それは、幹部が死に際に残したメッセージで語られていた、キョウメイという男の事だった。
「身体を巡ってるとはいえ、誰にも干渉不可能とされてきた生命の魔力。幹部の報告とはいえ、本当に操れる人間がいるなんて、こんな状況じゃなきゃ信じられなかっただろう」
だが、そのキョウメイという男が持つ能力は本来ありえないもの。そおとぎ話だとか、伝説だとか、そんな域の話なのだ。ゆえに、事実ととるか狂言ととるかで意見が割れていたのだが、この惨状を前にして、ようやく信じざるを得なくなった。
しかし、それがわかったところで対策はない。
いわゆる詰みなのだと、認めざるを得なくさせる状況。
だからこそ、彼らの意思は諦めないことを選んだ。
「だが抗おう。生き恥を晒すくらいなら、最後まで、悪組織の一員として戦い抜いてみせる!」
「その通りだ。それが我々の使命、そして生きた証となる。俺達が諦めない限り、きっと道は開けるッ!」
俺の言葉に、責任者が同意した。
誰の表情も死んではいない。
みんながみんな前を向き、必死に戦い抜こうとしている。
どうやら、あんなやつに歯向かおうとするバカは、俺だけじゃなかったみたいだな。
「行くぞ!これが、我々最後の戦いだッ!」
「「はい!」」
責任者の最後の一喝に、涙しながらも答えてみせた。
守ってみせる。これが、最初で最後だとしてもッ!!
そう意気込んだ俺は、何が書いてあるかもわからないモニターとにらみ合いながら、適当にカタカタとキーボードを叩き……。
「お前……誰だ?」
キーボードを叩き……叩き……。
視線が痛い。すごく痛い。
……しかたねぇ。
「俺の正体はすぐわかる。なんせそろそろくる頃だからな」
「何がくるのだ」
「決まってんだろ。俺だよ」
壁が粉々に砕かれた。砕いたのは誰でもない、俺の分身だ。
生命の魔力ってのは何でもできるらしくてね、こうやって分身を生み出して、自我を持たせることだって容易いのさ。
しかも生きて合流さえすれば、生命の魔力へと戻って俺の体に戻ってくる。コスパ最強すぎるだろ!!
「いったいいつからそこにいたのだ!」
「そんなの最初からに……あ、時間的にはついさっきか。なーんか思ったより楽に入れちまってさ、気づいたらここ着いてたんだ。面白いだろ?」
「それじゃあ基地にけしかけてきたアイツは何だったのだ!!」
「え? あー、アイツ?んなもんノリだよノリ。寸劇ッ!窮地にたたされた管制室ッ!なんて面白いもんできそうならやるっきゃないだろってな!」
「どこまでもふざけたことを言うやつだ!」
「勝手に言ってろ。俺は真面目だ」
さて、コスト考えてさっさと基地をぶっ潰しとかないと。じゃなきゃ旅費をふんだくれんぞ!
なんて気を抜いている内に、管制室の全員から、各々の魔法をぶつけられる。
そのどれもが最上級のものであり、くらえば一溜りもないはずだった。
そう、俺でなければ。
「油断するな!まだ終わらんぞ!」
部下が気を緩めぬように、責任者は渇を飛ばす。
そう終わってはいない。
なんなら、もう終わる。
魔法によって立ち上った煙が消え、中から現れた人一人飲み込めるくらいの松ぼっくりによって。
「松ぼっくり。ウニモード!からの巨大化!」
松ぼっくりの尖った部分が、針のように細く鋭く変形し、そのままどんどんと大きくなっていく。
人を貫きながらさらにさらにと膨らむように大きく巨大に変化していく。
管制室を突き破り、基地まるごと飲み込むような大きさへと到達したとき、気を熟したと感じたかのように、俺は叫んだ。
「クレイモアッ!」
熱くグツグツと煮えたぎる松ぼっくりの外装は、内側からの熱に耐えきれず焼け溶け、そのエネルギーは辺り全域へと熱波のように熱く渡る。
エネルギーが過ぎ去りし場所は一つ残らず何もかもが消滅し、きれいさっぱり更地とかした。
所詮敵などこの程度。敵である時点で俺に勝つなどありえない。
なぜなら!俺は!最強だからなのだ!
「まだ終わってはいないぞクソ坊主ッ!」
空から聞こえてくる声に耳を傾ける。
なんなんだよ突然。もう基地は何もかも消滅したんだし俺の勝ちで終わりだろ。
強がりはいい加減にしろってめんどくさい。
「残念だが、今破壊した基地には何もない。人すらもな」
はっ?なに言ってんのコイツ。俺確実に何人かあの世にボーンしたけど。
「アイツらは俺が作った存在だ。ゆえに存在しない!さらに、その全ては俺の一部にすぎんのだ!それが俺の能力だからなのだあああああっはっはっは!!」
空を見上げた。そこにあったのは、すんごい巨大な空中戦艦だった。
いやあれ戦艦か?島じゃね?
そう思うくらいにクソでかい。今見えてるぶんだけじゃ全容がわからんほどにだ。
俺は生まれる前から含め、初めて日照権を侵害されたような気がする。
いやあれ日照権もクソもないだろ。大きすぎるて、草生える。
俺が消滅させたはずの基地が、エネルギーのようなポワポワになって、空を飛ぶ。
たぶんあの巨大飛空戦艦に吸収されるんだろうなと思いました。
……なんていうか、何回も巨大飛空戦艦って呼ぶの面倒だな。よし、名前をつけよう。
「よし決めた!お前は今日から巨大飛空戦艦アルティマックスな!」
「へんな名前をつけるんじゃない!お前ムカつくぶっ飛ばす!サイズ縮小、ターゲット固定、全砲門解放ッ!」
少し小さくなったかと思ったら、さっきよりも物騒になって帰ってきやがった!なんかとんがりコーンみたいな形して起きながら、いろんな銃撃兵装がくっついてやがるし、銃口が俺の方向いてるし!
マジで意味わかんねぇよ!
「発射ッ!」
掛け声と共に、ビームとか砲弾とかやりたい放題に放たれていく。
バリアを張って守ってはいるが、正直安心はできない。
なんならヒビ入ってるし!
「ふはははははははははッ!見たか小僧ッ!これが悪組織幹部のNo.0の実力だ!」
だが問題ない。衝撃も直撃もくらってはいない。
ってかくらうわけねぇんだよなァ!
「衝撃反射ッ!」
とっくにバリアは壊してた。だからこそ、全部包み込んだ!
衝撃まるごと溜め込んで、エネルギーへと変換し打ち出す、これこそ衝撃反射ッ!
いままでの攻撃全部、包み込んでお返しだッ!
「拡散バージョンッ!」
エネルギーが拡散し、しかしホーミングし、砲門という砲門を打ち壊す。
だが、どうせ生えてくるから無駄っちゃ無駄だ。
「ちょっとはやるじゃないか。ならばこちらも、全身全霊をみせてやろう。そして教えてやる!この私の名をッ!アクティベーションッ!ギガニタイタス!!」
一瞬にして、小さな球体へと縮小してみせた次の瞬間、木の根が張るように大きく巨大に四肢が伸び、外装が装着されていく。
ボディが完成し、その上に首が生え頭が生まれる。
その姿は完全なヒト型であり、いわゆる巨大ロボだ。
つまりこれこそカッコいいということだ!
「みたか小僧ッ!この私こそが最強の男、ギガニタイタスだ!」
全長約……何十メートルあるんだあれ。横にも縦にもクソでかいし、わっかんねーや。
だがカッコいい!
ゆえに対抗意識が燃えてきた。
「ならばお前にみせてやろう。全身全霊の、超速で究極のアルテマックスをな!」
地面が揺れる。俺をのせてせり上がる。
天より高く空をつく。
雲海を全て取り込み、エネルギーへと変える。
大木も溶岩も、自然の全てを取り込んで、新たな力へと変える。
みせてやる、これがセオリーがん壊しのぶっ壊れジャイアントゴーレムッ!
「超究極自然合体獣 アルティマアアアアアアアアックスッ!」
宇宙にも届くこの巨体、それ即ち、ギガニタイタスの約5倍ッ!
息苦しいなんて知ったことか!カッコよさ優先だ!
「でかいだけで、この私に勝てると思ったかッ! 肩部ミサイル一斉発射だ!」
無数のミサイルは、アルティマックスに直撃。
大きさが大きさだからね。かわせるわけねーじゃん。
直撃した箇所からボロボロと表面が剥がれ落ちる。
装甲はとてつもないほどに分厚く作ってあるので、これくらいなんてことない。
かといって、反撃しないのも癪に触る……。
あ、小惑星みっけ。
「叩きつけてやるぜぇえええええええ!」
アルティマックスに小惑星を掴ませ、ギガニタイタスに向かって叩きつけた。
その様は、さながら隕石が落ちるようで……一瞬に、豪快に、ギガニタイタスの装甲を貫通し地面に着弾。直後、辺り一帯を大爆発が包み込んだ。
「ギガニタイタスさんよぉ、ちょーっと装甲が柔らかすぎやしないかい?もっと分厚く、ど厚く、作ろうぜ!」
「お前が大きすぎるんだ!」
大きく破損していたはずのギガニタイタスは一瞬で再生し、怪我一つなかったかのようにピンピンしている。
俺も似たようなことできるけど、やっぱ回復技は壊れ技よ。
「お返しに焼き消してやるッ!」
全身の武装が体の中に引っ込むと、今度は右腕が変形を始める。
その形に命名するなら……そう!
ビームガトリングバスターライフルッ!
ガトリング部分が回転を始め、回転によって生まれたエネルギーが、ライフルの部分へと集束していく。
ピチュイン……という音が、充電完了を知らせると共に、アルティマックスの腹めがけて撃ち放たれる。
「ディザスタービームッ!」
集約したエネルギーは凄まじく、アルティマックスの装甲を貫通しただけでなく、貫かれた箇所から崩壊が広がり続けている。
「驚いているか?ディザスタービームは最強の破壊光線。その力は、触れたものを破壊するだけに止まらず、破壊を無差別に伝染させる。もちろん、この私には効かないがなァアアアアアッハッハッハッハッハ!」
なるほど。実質それが本体みたいなもんか。
「ならばこちらも集束だッ!その破壊のエネルギーもろとも、俺の力としてやる!」
「集束だと!?ばかな……そんな膨大な力を集束など不可能だ!」
それでもやる!やってみせる!なぜならそれは、カッコいいから!
俺がカッコイからじゃねぇ!そういう形態も、そういう設定も、カッコいいがためにやる。
それがどんな無理難題だろうと、無理を通してやってみせる!なぜならそれが、カッコいいからッ!
「ほらみろ。エネルギーに耐えきれず、お前のゴーレムが先にお陀仏だ」
「コイツにはお前の知らねぇ先がある!おれはアルティマックスと共に勝つ!やってみせろアルティマァアアアアアアアアックスッ!」
爆音が鳴り響く。
噴火するかのように溢れ出す煙。
ついに動かなくなったアルティマックスが大爆発を起こし、バラバラになった体があちこちへ飛んでいく。
「やはり失敗か。自滅とは呆気ない終わりだ」
落ちていく体は自然へと還元される。
死した土地が元に戻っていく。
いわゆるエコなのだ。
さっきまで枯れていたとは思えないほどに、遠くへと緑が広がっていく。
それは、アルティマックスが死したことを意味している。
そう、アルティマックスは死した。
そして、新たな姿と名を持ってこの場に蘇る。
背中に広がる羽を羽ばたかせ、空を舞い、この世の全てを圧倒させる。
どうせ使いきりの一度ネタだ。どうせなら、今この場で名前の一つつけてやる。
「新たな力、新たな姿、全生圧倒狂乱怒涛、これが世界を超越した世界ッ!さあ見せよう。シンの最強の姿を! 全能神機ゴッドゲリオンッ!ここに見参ッ!」
その姿は完全なるヒト型、俺は全てと同化した。
ゆえに、ゴッドゲリオンとは俺であり、俺こそがゴッドゲリオンなのだ。
「そんな大きさになって、ずいぶんと力を失ったようだな小僧っ!」
自信に満ち溢れたギガニタイタスの拳が、俺を潰さんと襲いかかる。だがしかし……。
「無傷……だと? そんなことがあるはずない!」
なんども拳を叩きつけ、ミサイルを撃ち放ち、エネルギーを集束させディザスタービームを命中させる。
だがしかし……。
「効いて……いない……!? いや、違う。ディザスタービームは触れた相手が何であろうと食らい尽くす。しかし食らいついてすらいない。ならまさか、届いていないというのか!?そんなバカのことがあるというのか!?」
攻撃は一つとして、届くことはなかったのだ。
先に言っておこう。俺は何もしていない。
俺が見えない速さで攻撃して壊したわけでも、俺と拳の間に無限があるわけでもない。
本当に届かなかったのだ。
「無機物は恐怖した。お前にはわからないのか。この絶対的な力の差が!」
「力の差だと!? 何を言って……」
「今の俺の力は、世界全てを掌握している。故に、全ての上にたっている!」
ゴッドゲリオンから溢れた力が、全ての宇宙全域に浸透していく。
その力のオーラは、この星のどこにいようと感じ取れてしまうほどに強大で絶対であり、意識が存在しない無機物ですらも逆らおうとしない、全てを圧倒するこの力。
それは、それこそが、ゴッドゲリオンの全てあり、どんな力でさえも、ゴッドゲリオンの前では無力!故に無敵!故に最強!
「そんな力が、どうして自然のエネルギーなんかで生まれるというのだ!」
「至極当然の質問だ。だから答えてやろう。自然エネルギーを集束させようとした瞬間、世界に亀裂が入り、その先に新たな世界が生まれた。その世界に吸い込まれた俺は、世界が誕生したエネルギーと、お前の破壊のエネルギーをぶつけた結果、更なる現象を引き起こした」
「現象だと?」
「そう、それこそがビッグバン。宇宙誕生の瞬間だッ!そこで俺は、そのエネルギーを根こそぎ奪い取り、自身の力へと変えようとした。だが抵抗された。ので、一体化した結果がこのゴッドゲリオンだッ!」
「い……意味がわからない……」
「理解するなハートで感じろ!理論だとかなんだとか、そんなんじゃ計り知れない何かを体感してみせろッ!」
「意味がわからない……」
「そんなお前に朗報だ。手加減してやる。今から出す力は、ほんの無限分の一だけだ」
「なにそれ……」
俺はギガニタイタスの背後に回り込んだ。
その勢いでギガニタイタスの半身は、大地と共に消し飛んだ。
これで終わるのも楽しくないので、俺はギガニタイタスの体を、無限分の一の五分の一くらいの力で再生させる。
瞬間、ギガニタイタスの半身は、通常の二倍くらいのサイズに巨大化した。
そんな芸術性の欠片も感じない体にムカついたので、さらに二分の一くらいの力で、軽く拳をぶつけた。
瞬間、邪魔な半身は綺麗に消し飛び、ついでに頭から下は消滅した。
ので、同じくらいの力でもう一度ギガニタイタスの体を再生させた。
よし、回復はちょうど良いくらいだ。あと攻撃の時の力を調整すれば、もう少しぐらいは遊べそうな感じかな。
「何が起こって……」
「それはな」俺はそう言い始めようとした。
瞬間、この星は消滅五秒前になった。
原因はおそらく、調整だ。先ほど俺は自分の力を実感し、そして一種の興奮状態になっていた。
故に、先ほどよりも遥かに力んでしまっていた。
そのせいでこの有り様だ。急いで回復させたからいいが、もし間に合っていなかったならばこの星はドカーンと消滅していただろう。
ついでにギカニタイタスも直しておいた。
俺は先ほどまでよりもさらに五分の一くらいの力で、唇の前で人差し指を立て、それはナイショだとポーズをとる。
本当は言ってやりたいが、もう一度星が滅びかける可能性がある以上、それは良くない事だと理解している。
なにより帰れる場所もカディアも失うなんて嫌すぎる。
だから絶対ナイショだかんな!
翼を広げ、宇宙へのぼる。
天に煌めく星たちを、俺の目とし、足とし、力とする。
撃ち落とせ、テンペストレーザー。
空に煌めく星たちは光をおろし、ギガニタイタスを焼き付くす。
これは浄化の光なり。
贖罪を晴らす無限の光なり。
これこそは、天罰なり。
……な……なんじゃこりゃ……。宇宙の心理に飲まれそう……。
たまるか……支配なんてされてたまるか……俺の世界は……カディアがいる世界だァアアアアアアアッ!
ギガニタイタスは再生されている。
ならば、これで最後にしよう。
全身全霊最小究極、ウルトラスーパーカッコいいこの技で占めてやる!
宇宙から落ちるは星ではなく、宇宙の生命体でなく、それはただ一人の人間なり。
光をこえる速さで地上へと落ちていくその体は炎に包まれ、燃えているように見えている。
しかし、炎すらも恐怖する。
その力に満ちる存在に、逆らうおうとしなかった。
それが、究極であり完全であり最強無敵の存在、ゴッドゲリオン。
そしてこれが、さっき即興で考えた最小究極の必殺奥義。
光誕爆撃。
ギガニタイタスを貫通し突き抜ける。地上すんでで止まった俺が、最後に放つ絶対無敵の必殺奥義。
宇宙降誕。
ギガニタイタスに、破壊と創造のエネルギーを一対一の割合で注ぎ込み、遥か天へと解き放つ。
宇宙は消え、新たな宇宙が生まれ、そして、新たな星が生まれた。
ギガニタイタスが起源となった宇宙は、これからも広がり続けるだろう。
そしていつか、人がいる星を生み出すその日まで、俺はスルーを決め込んだ。
これが、圧倒的、絶対的、究極的な完全勝利というものだ。
素晴らしい……これこそが真理ッ!
ちょっとまて。俺は今、宇宙の真理がわかる。つまり、全てがわかる。
ラスボスの正体からどこにいるのかまで全てわかる。
そして、この力……もしかして最速攻略できるのでは!?
よしやろう絶対やろう今すぐに!
悪組織壊滅までのカウントダウンはー、1分ありゃいかせるわけないだのッ!あったまおかしいんじゃないだの!?
さっさとその力、還元するだのッ!
だのだの言ってるコイツは俺を転生させた神だ。
前回は分離させられたが、今回は無駄だ。
全てが俺に従う以上、神であってもそれは例外ではない。
悪いが、打ち切りENDまっしぐらにさせて貰うぜ。
そのあと願いを使ってもろもろなんとかして貰えばいい。
さあRTAを始めようじゃないか!
コイツだけは使いたくなかった……だけど状況が状況。仕方がないんだの。
この「0の片鱗」を使って……。
何をしても無駄だと言っているのがわからんか。今の俺は、お前よりも圧倒的に強いんだ。
大人しくクリアまでの道のりを眺めてればい_________
「ダメなものはダメなんだの。宇宙の真理とか訳のわからないことを言ってないで、さっさと正気に戻るだの」
気づいたらビッグバンと融合してて焦りました。
対処する方法が思いつかなかったため、あるAIを入れ協議したのですが、ロクな方法を提案しなかったためぶちギレて消しました。もう二度といれません。
結局自分の力でやった方が早いってはっきりわかんだね。