遥か過去を思いだす
ずっとわかってた。
あの時からずっと……自分で命を断とうとしたあの日から、僕はずっと。
どうしょうもない馬鹿だった。
いつからだっただろうか。
嫌がらせを受け始めていたのは。
いつからだっただろうか。
それが、いじめだって気づいたのは。
高いところから下を見下ろして、ここから落ちたいと何度も思った。
鋭利な刃物を見て、恨みを晴らしたいと何度も思った。
でも、出来なかった。
自分から失うのも、誰かから奪うのも、僕には怖くてしょうがなかった。
それが、僕にとっての普通で、越えてはいけない一線だったから。
これが、転生前のこと。
僕の過去……僕にとっての、最初の人生だった。
……………
……………………
「間違い探しが来たぞー!」
大前提として、いじめはあってはいけない。
誰かを傷つけることになるし、最悪その人を殺してしまうことになるからだ。
それは人道に離反する行為であり、無自覚だからといって許されるべきことでは決してない、
だが、イジメられる構が、イジメられるキッカケをつくってしまうことはある。
少なくとも、僕はきっかけを作ってしまった自覚がある。
そのきっかけとなってしまったのは、僕の行動にある。
当時、僕は間違うことが嫌いだった。
テストの採点でミスがあれば申告し、廊下は走らず真面目に歩き、図書室ではただ静かに本を読んでいた。
僕がいけなかったのは、これらを他人に忠告し続けたことだ。
それが他人からは、鬱陶しく思えて仕方なかったのだろう。
その結果が、「間違い探し」というあだ名。
そして、避けられたり、数々の罵倒を受ける原因になった。
「ここにいることが間違い」だとか、「黙れよお喋り空回り」だとか。
ただ正義感でやっていた僕からすれば、どうしてそんなことを言われなければならないのか理解できなかった。
もう一度言おう。
僕は、きっかけをつくった自覚がある。
前述したものがきっかけの内容であり、これは至って些細なことだ。
確かにこれは、いじめのキッカケになったのかもしれない。
しかし、結局はそこ止まりだ。
そこから何もしなければ、そこからどうなることもない。
ただ嫌われているだけの、一人の人間の話で終わりなのだ。
誰かがこれを、無理矢理広げたりしなければ、それで終わりなのだ。
いじめで一番悪い人間は誰か。
それはいじめた側の人間だ。
たまに聞く、「いじめられている側にも原因がある」という言葉。
これはただの、現実逃避だ。
ただ自分が悪くないなんて思いたい人間が語るエゴにすぎない。
いじめのキッカケは、いじめの原因ではない。
例えば今回の場合。
僕の行った行為は、いじめのキッカケになった。
しかし、それは元々ただ嫌われる原因でしかなかったのだ。
いじめが始まるのは、それが無理矢理広げられた瞬間なのだから。
話を戻そう。
始まりは……そう。
体操服を隠されたところからだ。
これが、無理矢理広げられた瞬間。
人を嫌う理由を、自分がやろうとしてる犯罪まがいの行為の正当性にすり替えた。
これで僕は体育に出れれなくなり、僕はその犯人に、そこを指摘され続けた。
そこからどんどんとエスカレートしていき、ただの嫌われ者から、いじめの対象へと変わっていった。
「廊下を水で汚すなよ。きったねぇやつだな」
バケツの水をかけられた。
「忘れ物するなって言ってた人が、毎日忘れ物しないでよ」
物を隠されるのは当たり前。
「死ね」
ただの暴言を吐かれた。
暴言しかはかない理由も簡単だ。もうキッカケを忘れているからだ。
キッカケは原因ではない。
自分を正当化する理由にしかならないからだ。
そして、それがいつしか当たり前になり、理由すら忘れていく。
だから僕が思うに、いじめの原因は、どう足掻いたっていじめた側にしか原因はないのだ。
転機が訪れたのは、20回目の未遂の時だった。
「なーにバカなことしてんだおめぇは」
僕に声をかける人がいた。
「僕がどんな思いで……どんな……思いで……」
言い返そうと思った。必死になって、躍起になって、言い返さなきゃって。
でもそれは、死ぬことを肯定するようで、どうしても僕にはそれができなかった。
「死ぬ気……ないんだろ?じゃあバカなことだ。死のうとしてるなら、もっとバカだ。どんな理由があっても、な」
「いいじゃないか……別に。逃げたっていいじゃないか!」
僕はついに言い返してしまった。
肯定するような事を言ってしまった。
だけどそれ以上に、何も知らない誰かに簡単に否定されることはもっと嫌だった。
「どこに逃げるんだよ。あの世か?あるかも知らないところに行くのは、逃げることになるのか?それって、ただのダイナミックな現実逃避だろ」
僕はまた、必死になって言い返そうとした。
だけど、言い返せなかった。
言い返せる言葉がなかった。
僕はそれが、正しいと思ったから。
死にたくなかった僕にとって、それは正しいことだったから。
……だから否定したくなかった。
「君は……?」
「俺は強優。東西高校三年生だ」
僕の生活習慣が治りつつあることに遺憾を覚えつつ、さっさと投稿した後に散歩いこうか悩むこの頃、とりあえずゲーム触っております。
とりあえず二章終わるまでは絶対頑張るので、よろしくおねぎゃいします




