32.私、降臨の日
ごめんなさいミチマサ。やっぱり私には……できない。
あの言葉を、今も鮮明に思い出す。
私が姫と共に国を抜け出そうとしたときのことだった。
大切なものを守れないほど貧弱になった自分に嫌気が差した時だった。
腹部から流れている血は、ポタ……ボタ……と静かに時を刻み続ける。
目の前で起こる真実を受け入れられず、流る時に身を任せ、ただ漠然としていた意識は、衝撃の真実を脳に告げた。
姫はお前を刺したのだ……と。
その時、悟った。
彼女も、国民も、国の民意は……いいや、私も私自身を信じられていなかった。
我々が信じていたのは、私の持つ力だったのだ……と。
光が晴れることはない。
強く輝くその姿に、きっと誰もが跪く。
人を超えた力を手に入れた彼を、誰も神だと疑いはしなかった。
この俺さえも。
「なんと素晴らしい力だ……! これが、神の域へといたった力……なんと神々しい!」
黒「自画自賛かよ気持ちわりぃ。ホタルみたいにピカピカ光りやがって……眩しくて目に悪くて俺は嫌い!」
主「やめろ挑発するな!見た目がヤバい生き物はだいたいヤバいって相場がきまってるんだからさー!」
そんな俺の発言を、覇道道正は鼻で笑った。
「貴様らなんかを相手にしている時間はない。この次元を手中におさめるという、大いなる目的を果たさねばならないのでな」
俺は、その鼻をへし折ってやりたくなった。
主・黒「死ね」
無限の加速で一瞬で距離を詰める。
一息もできないほどの速さで、刃が覇道の喉に触れる。
しかし、それよりも先に覇道の蹴りが俺の首をとらえていた。
その速さは決して俺の速さを超えていたわけではなかった。つまり、俺がくることを読んで、事前に構えていたということだ。
そして、俺は地へと叩き落される。
その間わずか0.00000000001秒。
俺と覇道以外、誰もその瞬間を認識していない。
黒「なんだぁ……? あれが、未来予知ってやつかぁ……?」
主「それに近い何かか別物か……どっちにしても決めつけはよくない」
「貴様の微弱な動作を元に、次元演算で未来を予測しただけだ。考察する価値はない」
なにそれ意味わかんない。
「演算に特化した次元を作っただけのこと。べつに理解する必要はない」
心を読まれた!?
「表情の変化から思考を演算したのだ。私の前に理解は無意味だ」
何いってんだコイツ!?
「何を言っても無駄……か。まあいい。たとえ理解されようとされまいと、結末は何も変わらない。この私による、絶対的勝利は揺らぎはしない!」
天へ手のひらを掲げる。次元を作りだし、それをエネルギーへと変換する。
その膨大な力量によって作られた巨大なエネルギー弾から放たれる力圧で、体がまったく動かない。
「この世界の未練と共に、私の前から消え失せろ!」
地上に向かって放たれたその瞬間、時が止まったかのように一瞬で、地面に触れることなく、エネルギー弾は次元を削り破壊した。
いままで勢いだけでやってきましたが、正直限界なので今回からプロット(お話の骨みたいなもの)だけは書くことにしました。
ちなみに、すでにプロットの展開とは違ってます。
やりたい放題が一番楽しいんだからしょうがないよね♡
追記
一律修正。冒頭の過去回想を大幅に変更しました。
主に姫が悪い。




