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22.でっけぇええええええ!

「でかいですね……」


狂命が驚いていたように、カディアもまた驚いていた。

しかしラーラは見たことがあるからなのか、別に驚きはしていなかった。


「でかいわ。なんなら、彼の能力だけならワタシは知っている。自己紹介のついでに教えてくれたからね」


その発言に、カディアは疑問を抱いた。

なぜなら、さきほどラーラから聞いた話と、少し違っていたからだ。

能力をバラすことは、他メンバーに対する宣戦布告と同義である。

そのはずであるのにもかかわらず、自己紹介……つまり初対面の時にすでに自分の能力を晒している。

その理由が、カディアにはわからなかった。


「それ、本当ですか? いったいなぜ……」


「彼、正々堂々が好きなのよ。だから簡単にベラベラ話す。だけど逆に、それだけ自分の能力に自信があるということにもなる」


「とんでも集団の中にいて、そこまでの自信を持てるなんて……いったいどんな能力なのですか」


だがその問いにラーラは答えなかった。

答える必要がないからだ。


「見てればわかるわ。わからなくても、たぶん堂々言ってくれると思うし」


それに彼なら、戦いの最中でも自身の能力を晒す。

そう思えるほどの自信があったからだ。

二人は、瞬き一つするものかという熱意を持って、再び観戦を始めた。



そのころ、試合の火蓋は気って落とされた。


ビッグの巨大な右手が、狂命を押し潰さんと空から落ちてくる。

しかし、狂命の速さは無限を越えている。

その程度の攻撃なぞ、いとも簡単にかわしてみせた。


そればかりか、超超スピードによる連続攻撃で反撃を行う。

地上で使えば文明が滅びかねないほどの超加速から繰り出される攻撃は、タイムの一撃と比較なんてできないほどに強力だ。


「無限に近い速さでの連続攻撃か。しかしその程度……この私にきくと思うなッ!」


だがしかし、その攻撃を持ってしても、その巨体に傷一つ与えることはできなかった。

いや……え?


「文明破壊レベルの威力が効かないとかどうなってんだ!?」


「答えてやるッ!私の能力は質量を操る能力ッ! ゆえに、貴様の速いだけの一撃なんぞ、この私の凝固たる体には効かんのだよッ!」


なにペラペラしゃべってんだコイツ!?

まあいい、話してくれてラッキーだった。

いくらダメージを受けない巨体だからと言って、攻撃の速度はサイズ相応。

攻撃をかわしながら1点を攻撃し続ければ、いつかはほころび弱点となるはずだ。


「チョロチョロと鬱陶しいハエのようなやつよッ!その動き、いますぐ封じてやろうッ!」


へっ、どうやるってんだよ。無限の速度を封じるってことは、まずその動きに追いつけなきゃなしえない。

だがその巨体と動きで、時間にすら認識されない俺の動きに追いつけんのかよ。

はっきり言うぜ不可能だ。

つまり封じるなんてのは、出任せなんかに決まってる。

つまり勝ち確ッ!

攻撃を続行するぞッ!


「貴様がどれだけ速かろうが、捕らえる方法が一つだけ存在する。それを今から貴様に教えてやる」


そう言うと、ビッグは高く飛び上がった。

あの巨体で、ジャンプできるのは驚きだが、おおよそだいたい、その方法っていうのは察しがついた。

要は全体攻撃(オールレンジアタック)だ。

どれだけ速くてもそれなら捕らえられるって魂胆だろうが、しかしそれは無駄無駄無駄よ。

そんなもの、お前より高く飛び上がればいいだけの話。

つまり、ヤツの想定する範囲よりも外に行けばいい。

俺の移動範囲が、地面だけにとどまると思うな。

空中すらもがこの俺の領域。

ゆえに、脱出など容易いのだ。


俺はビッグよりも高く高く、空へと飛び上がった。

ビッグの頭よりも遥かに高く、空へと飛んだ。

はずだったのに。

しかしなぜだろう。気づけば俺は落ちていた。

ビッグは今だ、ノーアクション。

つまり、攻撃を受けたわけではない。

俺は何かに衝突し、そして落ちたのだ。


ビッグの体に力が入ったのがわかる。

直後に攻撃がくる。

落下しているが、この体制からでも動くことはできる。

とにかく距離を取らなければ。

離れなければ。


「質量解放、オールレンジバァアアアアアアアストォォォオオオオッ!!」


ビッグから何かが解き放たれた。

しかし見えない。

なにも見えない。

ゆえに、わからない。

だがしかし、俺は抗えない何かに後方へと吹き飛ばされた。

いや、まさかこの感触、今なお押されているというのか!?

いったい何に押されてるんだ!?


そして、気づけば俺は押し潰されていた。

前方にかかる圧力のような何かにより、背面にある何かに押し付けられ、俺は身動き一つとれやしない。

息が苦しい。

それより、体がきしむ。

背後をみるが、そこにあるのは「なにもない」。

まさかこれが、質量。

膨張する質量に押され、逃げられないようにあらかじめ設置されていた質量の壁に押し付けられ、そして圧力によって押し潰される。


それが、今起こっている真実だっていうのか!?


「私が操れるのは、無限に近い質量だ。貴様がいくら速く動こうとも、押し潰せば意味はなし。このまま潰れてしまうがいいッ!」


質量を放出したせいなのか、身長が俺の1.5倍くらいにまで縮んでいた。

今なら攻撃してもダメージを与えられるのかもしれないが、このままじゃ俺の体がスクラップになっちまう!

どうにか抜け出そうとしても、質量の流れに逆らえねぇ!!

……そうか。逆らえないのなら、俺も作ってしまえばいいんだ。

とはいえ、完全に質量が密着しているから、やるなら俺の薄皮一枚犠牲にしなきゃだが……やらなきゃ死ぬならやるしかない。


「んぐッ!」


いってえええええええええええええ!

質量のバリアを、体を覆う薄い膜のように張った。

だがそのために、全身の薄皮を犠牲にしてしまったので、ヒリヒリがくっそいてぇ!

だけど回復は、もう一仕事してからだ。

質量バリアを、風船みたいに膨らませて、俺の活動エリアをある程度まで拡大させる。

そのためには、アイツと同じようなことをしなけりゃならない。

だが、そこまでの質量はあいにく持ち合わせていない。

だから、この質量バリアにある性質を持たせる。

それは、いつかにあのビデオでみた、ディザスタービームとやらの性質そのものだ。

早送りされていたのでよくはわからんかったが、要は補食し、感染するように拡大していく。

それを応用して、同じ質量を食い散らかすバケモンみたいな質量を生み出す。

やっぱおれってば天才だろ!


「なにをしようというのかわからんが、何かをしようとしているのなら、念には念をいれてやる。質量の海を泳ぐ!!」


そう言うと、ビッグはイルカのようにうねうねしながら、とてつもないスピードで質量の中を泳いで向かってきた。


俺は間に合わなくなる前に、急いで質量バリアに、ディザスタービームの性質を付与した。

それが……まずかったんだなぁ……って。

たしかに質量を補食してくれた。

うん、その点に関しては、なーんにも申し分がない。

だけどさ……どうして考えつかなかったんだろう。

人間も……俺も質量を持ってるんだから、こっちくるってことに。


「いえ……? って、ヒギャアアアアアアアアアアアアア!?」


このままでは、自分で作り出したバリアに食いつくされてしまう。

つまり死ぬ。

なんとかできても、泳いで向かってくるビッグにやられる。つまり、どうしようもないってことじゃないかぁああああ!


……ある。一つだけある。

なんとかなるかもしれない方法が。

それは決して、確実ではなくて、なんなら、ろくでもない予感しかしないけど……それでもやるしかない方法が一つだけッ!

それは……。


「合体だッ!」


アイツがパンパンに張らせた質量も、今まさに俺を殺そうとしてる質量も、逃げ道を塞ぐ質量も、全部全部、俺の力に変えてしまえばいいッ!


不安もなんでも何もかも、後先になんて考えるな。

そんな暇も余裕も、今の俺には一瞬たりとも存在しないッ!


「やってやるよ、超合体……叫んでやるよ……概念融合ノーマライズ・フュージョンッ!」




どんどん意味がわからんくなってく……タスケテ……

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