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10.鹿がいる

防寒具を部屋へと転送し、涼しげな京都へと入った。

なんの捻りもない名前のエリアなのだが、実際そんな場所だった。

収容区や極寒と違い、ここの風は涼しく、暖かさをあまり感じないことから、なんとなく秋っぽい感じがする。


「さきほどからそうなのですが、どのエリアも大きく違っていて、なんだかまるで、別の国みたいです」


紅葉舞う道だとか、和風な建物をみて回るうちにカディアがそんなことを言っていた。

だが俺には、同じ国のものにしか見えない。けどそれは、元々そういうところに住んでいた経験があるからなんだろうな。

ってあれ?カディアどこ行った!?


「みてください!見たことのない生き物がいますよ!ユニコーンの仲間でしょうか?」


声のする方をみれば、カディアが動物と戯れて……あれ鹿やんけ。

四足歩行で斑点模様であのフォルムは完全に……鹿ァアアアアアアア!?


えっ?なんで??? 鹿……鹿じゃねぇか!

なーんで魔法生物が跋扈するこの世界に鹿がいるんだよどう考えてもおかしいだろ!


「みればみるほどかわいいです。一匹ほど連れて帰りたいかわいさです」


「それただの比喩だよな!? 本当に連れて帰ったりしないよな!?」


「比喩に決まってるじゃないですか。どうしてそんなに焦っているのです?」


そりゃ焦るわ!

もしかして、連れてこられた!? いったいなんのために!?

もしくはDNA操作によって生み出された異世界産の鹿!?

どっちにしたって、ろくな気がしない!


「ごめんカディア、今日はもう収容区に帰りたいぐらい疲れた」


「わかりました。本当はもう少し調査をしておきたかったのですが、そうしましょう。あ、ただ最後に食べたいものがあるのですがそれからでもいいですか?」


それで一時戻れるならと、俺は承諾することにした。


「いいよ。それで、なに食べたいの?」


カディアは、「あれです」っと、ある建物を指差した。

丁度、その建物から出てきた人が手にしていたものは……団子じゃねぇか。




団子を食べて一息ついて、俺達は収容区へと戻ってきた。

そして、ホテルへの帰り道。偶然にも発見したお土産屋さんへと立ち入った。

麺類に鹿に団子に、明らかに何かがおかしかったので、もしかしたらこの収容区にも、誰の目にもつくところに、おかしな何かがあるのではないかと、一応は調査の一環として立ち寄ることにしたのだ。


だが、そこで最初に見つけたのは日本に関係する何かでは決してなく。

ものすごい剣幕でこちらを睨む、ただの神だった。

グランラガンのサントラ買ったぜ!

サブスクやってないなら買えばいいじゃないってな!

東映版スパイダーマンみたいにプレ値ついてなきゃ、このくらい余裕のよっちゃんだぜ!

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