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実は◯◯◯◯◯な魔女と実は◯◯◯の魔法少女が魔王を倒しに行く物語  作者: 大天使ミコエル


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73/140

73 VS湖のヌシ(3)

 プルクラッタッターは必死だった。

 ただただ必死だった。


 右手も左手も滑り落ちそうだけれど、どちらも離すわけにはいかない。


 尾ひれが振り回される。

 ステッキが、自動的に紋章を浮かび上がらせ、尾ひれからの攻撃を遮る。


 遮るだけなら、まだいつも通りだった。


 バン!!


 とヌシが紋章にぶつかったかと思うと、そのままヌシは紋章に弾き返された。

 攻撃時のピコピコハンマーのようなものとは違う。

 いつもの盾のような状態だったのに、ステッキはヌシを投げ飛ばすように弾き返したのだ。


 弧を描いて飛び上がったヌシは、そのまま湖脇の草原まで飛んで行った。


 いくら5メートルあっても、魚は魚である。

 陸の上では呼吸をすることができない。


 ステッキに掴まり、なんとか岸へ辿り着いた二人は、ぐったりと座り込み、そのビチビチと跳ねる大きな魚を眺めた。


「…………」

 プルクラッタッターは、呆然と眺める。


「げほっ!ぐぇほっ!!…………はー…………はー…………はー…………」

 パピラターは、水を吸って重くなったマントを脱ぎ捨てる。


「あ……あれ……あなたがやったの?」


「わ、わかんないの。盾だった気がするんだけど」


「……魔力の使い方が暴力的だったみたいだね」


「暴力的?」


 よっこらせ、とパピラターが立ち上がる。


「立てる?」


「?」


 すんなり立とうとしたプルクラッタッターだったけれど、プルクラッタッターの足には力が入らず、立つことはできなかった。


「……???」


 パピラターの顔を下から見上げる。

 パピラターは、下から眺めても、すんなりとしたシルエットをしていて、とても綺麗だ。

 菫色の長い髪が、濡れてくったりしているせいで、なんだか水から上がってきた人魚姫のようだった。


「力が入り過ぎて、魔力を使い果たしてしまったんだわ。結果的によかったけど、戦闘中そんなことになったら危ないから、また何か対策考えなくちゃ」


「……必死になりすぎちゃった、かな」

 プルクラッタッターが「たはは」と笑う。


 そこからは大騒ぎだった。

 湖の周りで見ていた商人達と観光客がザワザワとざわめき立つ。

 アイスクリーム売りは手に持っていたアイスを落としてしまったし、“よく釣れる餌”なんていう怪しげなものを売っていた商人は口が開きっぱなしで閉じられなくなってしまった。

 いつも船でのんびりと釣りをしているおじいさんは、感動した様子で魚を眩しそうに眺めた。


 湖で釣り竿を貸し出していたおじさんが、駆け寄って来て、二人の無事を確かめる。


 二人は湖の岸辺に座り込んだままになった。


 商人の一人が冒険者ギルドへ職員を呼びに走って行った。


 大きな魚は、ビチビチと必死で跳ねる。


 太陽が光る、よく晴れた日のことだった。

これでヌシとの決着がつきました。

パピラターとプルクラッタッターの勝ち、ということで。

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