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7 この世界では戦う必要がある(2)

 それからも、てくてくと歩いた。

 町は比較的すぐに見えてきたけれど、見えてからが遠かった。

 見晴らしが良く、遠くまで見えるのは良かったけれど、目的地が見えてからが遠い遠い。


「……大丈夫?」


 パピラターが、何度かプルクラッタッターの事を見た後、たまりかねて声を掛けた。

 プルクラッタッターの足は、段々と遅くなっていた。


「そんな靴履いてるからよ」


 確かに、パピラターの言う通り、プルクラッタッターは歩くのに適さない靴を履いていた。

 踵の高さは4センチ。

 高いというほどではない仕事用のヒールだったけれど、それでもしっかりと舗装されていない道を1時間も歩くのには適さない。


「こんな道歩く予定なかったからね……」


「頑張れプルクラッタッター!」

 浮かんでいる小さなドラゴンが一番気楽そうだ。


「しょうがないわね。少し休憩していくわ」

 パピラターがくるりと振り返り、両手を腰に当てた。

 ちょっと偉そうな格好だけれど、少し背の低い美少女には、この格好が似合うと言わざるを得ない。


「けど、」

 ボスッと音をさせて、パピラターは肩から下げていたどでかい鞄を地面に落とす。

 左手に持つ、ガラスの枝のような杖を、くっと握り締めた。


「コイツらを、倒してからね!」


「え?」


 周りには所々、腰までありそうな草が生えている。

 所々木も生えている。

 その辺りをよくよく見れば、なんだか狐のような動物が、何匹かこちらの様子を窺っていた。


 この動物は、狐というよりも、プルクラッタッターが元いた世界でいえばジャッカルなんだけれど、残念ながらプルクラッタッターはジャッカルを見た事がなかった。

 ただし、ここに居るジャッカル達は魔王が放った、魔力を持つ獰猛なジャッカルだ。

 この世界では、この様な、魔王が放った獣の事を、魔物と呼んでいる。


「魔物よ。5匹ってところね」


 静かに周りを取り囲んでいたジャッカルが、牙を剥き出し唸り出す。


 その声を聞いて、プルクラッタッターはゾッとした。

 プルクラッタッターはその声に、その存在に、恐怖を覚えた。

 それは、自分の命が失われるのではないかという恐怖。

 殺される恐怖。


 こんな恐怖を味わうことは、プルクラッタッターが元いた世界ではそう多いことではない。

 ◯◯年生きて来たプルクラッタッターにとっては、この人生で二度目だ。


 この世界には、こんな命を狙ってくる魔物なんていうものがこんな風に簡単に出てくるんだ。

 この世界は、それほど危険な場所なんだ。


 獣の唸り声の中で、妙に冷静にそんな事を思う。


 逃げるわけにもいかない。

 後ろを向いた所で、その瞬間襲われてしまうのは、プルクラッタッターでもわかる事だ。

 けれど、武器になりそうな棒切れ一つすらない。

 立ち向かった所で、あの牙に振り回されて、命を終えてしまうのは分かりきった事だ。

 何も出来ないまま、プルクラッタッターはそこに立ち竦んだ。


「代理人としてパピラターが命じる」


 そこで、プルクラッタッターの前に、ジャッカル達に立ち向かったのは、他でもないパピラターだった。

やっと戦闘シーンです。

今回はパピラターの魔法でどーん!


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