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実は◯◯◯◯◯な魔女と実は◯◯◯の魔法少女が魔王を倒しに行く物語  作者: 大天使ミコエル


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51 今日は探偵になってみる(3)

 皿が元あった場所は、そこに建っている5階建ての建物の、最上階だった。

 そこには、あからさまに怪しいものが置いてあった。

 小さな檻が、そこに置いてあったのだ。


「うわ……」

 プルクラッタッターが思わず呟く。


 これが証拠でなくてなんだろう。


 小さな檻はすでに入り口を閉ざしている。

 中に何も入っていないところを見ると、さっきの声の猫は逃げ切ったのだろう。


 パピラターがプルクラッタッターを振り向くと、プルクラッタッターは、ステッキにぶら下がる格好で真剣な顔をしていた。

 どうやら、狭い場所で垂直に飛ぶのに、座って飛ぶのが難しかったのだろう。

 パピラターは、一瞬吹き出しかけたけれど、なんとか我慢する。


「路地の上空を飛んで見てみよう。他にもあるかもしれない」

 真剣な顔のままプルクラッタッターが言うので、パピラターもギリギリのところで真剣な顔を保った。

「うん、この地区の路地は4本。一本ずつ見ていこう」

「そうだね」


 そして、プルクラッタッターがそのままの姿で飛んで行く。

 そんなプルクラッタッターがあまりに面白くて、パピラターは吹き出すのを堪えながら飛んでいった。


 1本目の道を改めて飛んでみたけれど、見つけた場所以外見つけることは出来なかった。

 2本目の道で、二人と一匹はまた同じような檻を設置してある場所を見つけた。

「…………」

 猫用のご飯が置いてあるお皿。

 ちょんちょんと、誘い込むようにご飯は檻の中に続いている。

 どう見ても猫を誘い込むためのものにしか見えないそれを改めて確認すると、二人は黙り込んでしまった。


 そして、3本目の路地で、二人は、檻のそばで動くものを発見する。


 檻の中で騒ぐ猫。

 そして、その小型の檻を持って行こうとする誰か。

 ガッチャンガッチャンと、屋根の上まで引きずって、小型の檻を持って行こうとしている。


「……張り込みする必要がなくてこっちとしては楽だったかもしれないけど」

「許せないわね」

「現行犯逮捕で、あいつ、捕まえていけばいいんでしょ」

「そうね。それで一件落着」


 グ……ッと力を入れて、プルクラッタッターがステッキを持ったまま、屋根の上に着地した。

 それに続いて、パピラターもスタッと屋根の上に着地した。


「待ちなさい」

 パピラターが強い声で呼び止めると、その“誰か”は振り返った。

 檻を抱えてヨタヨタと歩くのをやめ、檻を屋根の上に置いた。

 檻の中の猫が、「ニ゛ャー!」と鳴いた。


「少しお話があります」


 そこで、二人は決めポーズを作った。


「私は、煌めく天よりの翼、魔法少女プルクラッタッター!」

「あたしは、闇に生まれし雷鳴の使者、魔女パピラター!」

一人はひらひらスカートだし、一人は狩猟用の帽子を被った魔女だし。

知らない人が見たらびっくりする決めポーズ。

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