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実は◯◯◯◯◯な魔女と実は◯◯◯の魔法少女が魔王を倒しに行く物語  作者: 大天使ミコエル


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47 作戦会議!(1)

 改めて二人と一匹は、トレルニの町へ入った。

 町の入り口には、沢山の屋台が立ち並ぶ。


 我慢できなかったパピラターが、屋台でおもむろに牛串を買った。

 ロケンローに分けてやりながら、肉を頬張る。


「ビスケットばっかりで、お腹空いてたんだよね」

 パピラターが嬉しそうだ。

 プルクラッタッターも、それに倣って、カルツォーネのような物を食べることにした。


 結果、いろいろな料理を両手いっぱいにして、宿を取ることになった。


 通された部屋のテーブルに、料理が山を作った。


「じゃ、作戦会議を始めるわ」


「はーい!」


 壁に、パピラターが地図を貼る。


 地図には、この国と、北の国境となっている山脈、そして山脈の北側に魔王城が描かれている。

 ここ、トレルニの町は、思った以上に国の北側にあった。

 ここより北にある町はそう多くはない。

 南の方に、城のイラストが描かれている。やはり、魔王の管轄から離れたところにあるようだ。


「ここから北は?」

 プルクラッタッターが言いながら、ポップコーンに手を伸ばした。キャラメル味だ。

「魔王の領地は、ほとんど山脈が囲っているの。ずっと北に行けば、海に面している場所もあるけど。海に出る場所までは、どうなっているのか不明なんだ」


 結局、魔王城に行くには、どこか山脈を越えなければならないのだ。


「そこで、あたし達が目指すのはここ」

 ぴ、っとパピラターが串に刺したチョコがけマシュマロで指し示す。


 ここトレルニの町のほぼ真北。

 山脈の麓まで、道が続いている場所だ。


「ほとんど獣道で、馬車も通れない道なんだけど、ここに山脈の向こうまで続く道が繋がってるわ」

「ふむふむ」

 ロケンローは、カリカリのフライドポテトを齧る。


「今の時期なら、雪が降る事もない。崖が多くて危険な道には違いないんだけどね」

 そこで、パピラターは、マシュマロをひとつ齧った。

「東西にある国にわざわざ入国してそこから山脈を越えようとすると、手続きが大変なの」

「手続き?」

「そう。外国人が易々と山脈に近付くのは、リスクがあるから。魔族のスパイだって、疑われる場合もあるし」

「なるほどね」

「だから、この国に面している一番安全そうな道を選ぶわ」


「じゃあ、これからそこに行くんだね」


「ほう!」

 パピラターは、マシュマロを口に詰め込みすぎて、うまく喋れないまま、プルクラッタッターに返事をした。

「…………」

 それから、パピラターがマシュマロを食べ終わるまで、しばらくの沈黙した時間があった。

 その間、プルクラッタッターとロケンローは、じっとパピラターが口をもぐもぐさせているのを見ていた。


「そう!」

 パピラターが、改めて言い直す。

「そうなんだけど」

 パピラターが困った顔で言う。

「実は、路銀が足りないの」


「…………路銀が……」


「一人分なら、余裕だったんだけど。……二人と一匹分を出す余裕はないわ」


 プルクラッタッターが、ちょっと申し訳なさそうな顔をした。


「だから、ここ」

 パピラターが指したのは、ここより西にある町だ。


「ルールイエの町は、ここよりもずっと小さいの。せっかく冒険者になったことだし、一旦ここに行って、お金を稼ごうと思う」


「おおー!」

 プルクラッタッターがパチパチと拍手をした。

魔王は、山脈の北側を魔王が治める国であると宣言していますが、人間側はそれを認めていません。

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