表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
実は◯◯◯◯◯な魔女と実は◯◯◯の魔法少女が魔王を倒しに行く物語  作者: 大天使ミコエル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/140

44 魔王軍幹部 ケイオス・ザ・リュー登場!(1)

「代理人としてパピラターが命じる」

 パピラターが詠唱を始める。


 その隙を狙ってかかってきた剣士達を、プルクラッタッターが一気に薙ぎ払った。


 ボン!ボン!ボン!ボン!


 空気砲のような音を立て、剣士達が屋根の向こうに飛んでいく。

「な……っ!この野郎……!」


 言っている間に、パピラターの詠唱が完了する。


「世界の遍く理。我が声を聞き入れ、天より雹を降らせ」


 パピラターの魔法によって、空から氷の粒が降ってくる。

 けれど、相手は4人もいる魔法使いだ。

 障壁を張られ、防御されてしまう。


 間髪入れず、プルクラッタッターが敵に飛び掛かっていったところで……、


「ハーーーーーーーッ!ハッハッハッハッハッハ!!!」


 と、屋根にいる二人よりさらに高い場所から、高らかな笑い声が聞こえた。


「ケイオス様!」

「ケイオス様!!」


 敵が口々に叫ぶ。


「かかったな!パピラター!!」


 パピラターとプルクラッタッターの二人が、声の方へバッと振り返った。


 パピラターは見た。

 漆黒を。

 黒いふわふわとしたファーが付いた、豪華なマントに身を包み、こちらを見下ろす影を。


 プルクラッタッターは見た。

 二人を見下ろす、歓喜に溢れた声をした、男の姿を。

 こいつが……、そんなふざけた名前の……!


 プルクラッタッターがふざけた名前だと思うのも無理はない。

 プルクラッタッターが元いた世界では、ケイオスといえば、つまりカオスのことだ。

 混沌なんていう名前をした魔王軍の幹部なんて、怪しいったらないのだ。


「ハーーーーーーーーーーー!」

 ケイオスの町に響く笑い声が……、


「は?」


 突然止んだ。


「おま…………。え?」


「…………?」


 プルクラッタッターとケイオスの視線が合う。


「あき?お前…………」


 呼ばれ慣れたその名前。


「ケイタ……ロウ?」


 呼び慣れたその名前。


 プルクラッタッターの目の前に居る、ケイオスと名乗るその魔王軍幹部は、紛れもなく、プルクラッタッターが探していた三ノ宮圭太郎、その人だった。


「…………!」

 パピラターが、プルクラッタッターのその反応を見て、ケイタロウを睨みつける。

 アイツが、プルクラッタッターに無理やり酒を飲ませたケイタロウ……!?


「お前なんで…………」


 ケイタロウが、奇怪なものを見るときのように顔を歪めた。


「私ずっと……ケイタロウのこと、」


「お前なんでそんなカッコしてんの?」


「探しててえええああああああああああああああああ」


 高い場所にしゃがみ込んでプルクラッタッターを見下ろすケイタロウと、魔法少女姿のプルクラッタッターの声が重なった。


 そこで、プルクラッタッターは、自分の格好を思い出し、脱力する羽目になったのだった。

新キャラ登場です!

プルクラッタッターの探し人。

ケイオス・ザ・リューという名前は、もちろんケイタロウが自分で付けました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ