表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
実は◯◯◯◯◯な魔女と実は◯◯◯の魔法少女が魔王を倒しに行く物語  作者: 大天使ミコエル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/140

40 空を飛ぶ練習

「うわっとっとっとっと」

 翌日、プルクラッタッターは、パピラターに指導されながら新しい飛び方の練習をしていた。


 もう一度、馬車の痕跡を追ったけれど、森の中の広場のような場所で、タイヤ痕は消え去っていた。

 パピラターが言うには、そこから空飛ぶ魔物で運んで行ってしまったのだろうということだった。


 そこから町へ戻るまで、プルクラッタッターがまたハングライダーに腕だけでぶら下がるような危険すぎる格好で飛んだので、パピラターが呆れながら、「飛び方の研究をして」と言ったのが始まりだった。

 何より、そんな格好で飛んでいたら、足がよくても手が疲れてしまう。


 結局、色々と試した結果、ステッキに横座りで座る方法で収まった。

 とはいえ、それは足を浮かせた状態で、細い棒の上に座るということ。


 はっきり言ってそんなこと、普通はできないのだ。

 鉄棒の上に横座りなんて不可能なように。


 そんなわけでプルクラッタッターは、ステッキに座る格好でステッキを浮かせるようにするまでは出来るようになったけれど、そこに座るということが出来ずにいる。


 すてん、と転んだのは4回。

 鉄棒に必死で掴まる人のように、ぶら下がってしまったのは3回。


「う〜ん」と、パピラターが考え込む顔で、顎に手を当てた。


「もっとこう…………」

 言いながら、杖を横にしてみたり、座る真似をしてみたり、身振り手振りで教えてくれる。

「杖じゃなくて、自分が浮くように考えてみて」


「自分が?」


「そう。プルクラッタッターは、杖に頼り過ぎ!自分が浮かないと、このまま跳べても落ちてしまうわ」


「にゃ〜るほど〜〜〜〜」

 と言いつつ、プルクラッタッターは考え込んでしまう。


 そんなイメージを持つのは難しい。

 目を閉じて考える。


 そうだ。

 もしかして、アレならどうだろう。

 ◯◯◯◯◯◯!

 小さい子供がアニメで見ているアレだ。

 アレなら、マントで自分が飛んでいるし、飛べるんじゃないだろうか。

 よし、あのイメージでいこう。


 カッと目を開いたプルクラッタッターは、ロケンローを振り返って言った。

「ねえ、ロケンロー!ちょっと『プルクラッタッター、新しい顔よ!』って言ってみてくれない?」


「………………え?」


 え?

 と発声したのは、ロケンローばかりではない。パピラターもだ。

 それでも、何かの呪文なのかと思い、頭にハテナを浮かべたまま、ロケンローは言ってくれた。


「プルクラッタッター!新しい顔よ!」


「たったらった、たったったーん!たたた、たったかたー!たったかたったったー!」

 歌いながらポーズを取る。


 その結果……、プルクラッタッターは飛べるようにはならなかった。

 何故なら、◯◯◯◯◯◯は、ステッキなんて持って飛んでいないから、結局うまくイメージできなかったのだ。


 最終的に、プルクラッタッターの先生は、パピラターとロケンローになった。

 パピラターは、杖を持ったまま自分で浮けるし、ロケンローも翼を羽ばたかせることもせず、いつだってふわふわ浮くことが出来るからだ。


「難しい〜!」


「ほら、座った格好で飛ぶから、よく見て」

「ぐぬぬぬぬ」

「力入れないで」


「う〜〜〜〜〜ん」


「まあ、あたし達を見ていれば、自分も飛べるんじゃないかなって思えるようになるわ」


「あっは」

 プルクラッタッターが笑う。

「そうだね」

◯◯◯◯◯◯な飛び方はプルクラッタッター向きではなかったみたいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ