23 いざ、冒険者ギルドへ(2)
冒険者ギルドは、思いの外町の中心地にあった。
どーんと大きな明るい建物の中には、いくつものテーブルや椅子が据えられている。
そこは待合室になっており、順番が来るとそれぞれの別室へ呼び出される仕組みだ。
テーブルには、戦利品と思われる、魔物の牙や皮を持っている者が多い。
冒険者というくらいだから、屈強な剣士や魔法使いばかりのイメージだけれど、そんなことはない。
もちろんそういったものも居るが、スーツを着た者も多い。
プルクラッタッターは、その場所へ入るなり、あまりの明るさに驚いた。
もっと血の気の多い場所なのかとも思ったけれど、そうでもない。
脇の小さなカウンターにパピラターが向かったので、後ろからついて行く。
剣士や魔法使いはやはり多いようだ。といっても、ここにいる者の3分の1ほど。
弓を持っている者もよく目につく。
けれど、その中の3分の1ほどは、矢筒を持っていない。
それもそのはず。
この世界では、積み重ねたイメージが魔力となり、具現化することができるようになる。
矢筒を持っていない者は、魔法で具現化した矢で獲物を射ることが出来るようになった者だ。
戦闘とは程遠い姿の者も多い。
プルクラッタッターの冒険者のイメージから程遠いスーツの者、10代前半ほどの子供、老人などの姿も見える。
「こんにちは」
と、受付から声がしたので、プルクラッタッターがひょこっとパピラターの背中から顔を覗かせる。
受付は、これまたニコニコとしたお姉さんが対応してくれた。
挨拶を返すと、キラキラとした笑顔が返ってきた。
雰囲気の良さがすごい……!
「人探しの依頼をお願いします」
「はい、承りました。前に2組お待ちいただいております。お呼びしますので、空いているテーブルでお待ちください」
テーブルに一息つく。
パピラターが簡単に、冒険者ギルドの説明をしてくれた。
冒険者ギルドは、所謂、依頼仲介所だ。
人殺しや窃盗など、犯罪的なことでなければ、大抵は請け負ってくれる。
人探し、物探し、採取など。
魔物退治もあるが、そればかりではない。
逃げたペットの捜索もあれば、浮気調査もあるので、探偵や商人、老人などの戦わない者達も多く集まる。
そういった依頼を、冒険者として登録した者達がこなしているというわけだ。
「なんでもOKなんだね」
「そう、人探しは定番だから、そのうち見つかると思うわ。北の町に行きながら、様子を見ましょう」
「うん」
プルクラッタッターがにっこりと笑うと、パピラターも、少し照れたように明るい笑顔を見せた。
「ご準備ができましたので、こちらへ」
丁寧なひっつめ髪のお姉さんに案内され、小さな部屋へと入った。
テーブルのある待合室は吹き抜けになっており、2階、3階に沢山の部屋が見える。
それが全て、依頼仲介をする為の小部屋だった。
ファンタジーには定番の、冒険者が集まる場所!ロマンが溢れるね!!




