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実は◯◯◯◯◯な魔女と実は◯◯◯の魔法少女が魔王を倒しに行く物語  作者: 大天使ミコエル


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137/140

137 番外編・図書館にて

「ロケンローは、ブラックドラゴンに似ているな」


 と、魔王が言ったのがきっかけだった。


「図書館に、ドラゴン図鑑もあるよ」

 と、パピラターとプルクラッタッターは、魔王城の図書館へ赴いた。


「ここが……」

 大きな扉の前に二人は立った。


 プルクラッタッターの背の倍くらいもある背の高い扉だった。


 それに驚いてばかりもいられない。

 扉を開けた図書館の中も、なかなかに荘厳だ。


 重ったるくランプの灯る部屋の中は、なかなかアンティーク調の調度品で飾られている。

 魔王城というくらいだから、ガーゴイル像だらけの部屋を想像していたのに。


 実際、魔王城は何処を見ても、そんな怪しげなものは飾られてはいない。

 ひたすら大きいけれど、調度品はそれほど多くはない。

 申し訳程度に置かれている調度品も、特に悪の要素があるわけではない。


 図書館にしてもそうで、怪しげなものは何一つない。

 ただ、本棚は驚くほど大きかった。


 プルクラッタッターが本といえば、元いた世界での本だ。

 文庫本やハードカバーの本、大きくても画集や辞書などの大型本を想像する。

 しかし、この世界には、文庫本は存在しなかった。

 小さくても、大きなハードカバーの本程度の大きさがある。

 大きい本なら、持ち運べないほどの大きさがあるのだ。


 それを納める本棚なのだから、それだけ大きく作られているのも道理だ。


「す……ごい」


「すごいでしょう?」

 パピラターはなかなかにご機嫌だった。

 嫌な思い出に繋がる部屋だとしても。

 ここがパピラターにとって教師そのものであり、全ての起源と言ってもよかった。


 ここに何故こんなに本があるのかはパピラターにはわからない。

 過去に、情報や知識に価値を見出していた人がいたのだろうか。

 魔族なんて、力尽くでどうにかするのが基本なのかと思っていたのに。


 それも、パピラターがここに通っていた頃と比べ、心なしか本は増えていた。


 増えたあたりをパピラターが見回す。

『リリアーナの恋愛事情』『学園で出会った王子様』『イケメン騎士が私を離してくれません!』


「…………」


 パピラターは、見なかったことにした。


「このへんに……」

 奥まった本棚に、ドラゴン関連の本はある。

 ドラゴンという、昔からそばに居るけれど、その実態を明かさない脅威。

 その対策の為に、ドラゴンに関する本は、古い物も集められていた。


「これなら……確か」


 一際大きな本を、パピラターが引っ張り出す。

 ドサっと置いた本を、二人して覗いた。


 本の中には、沢山の種類のドラゴンが、イラスト付きで紹介されていた。

 竜の山で見た覚えのあるドラゴンも、いくつか見かけた。

 色々な表情、特徴、住む場所、好む食べ物など。


「これは、現在発行してはいけない事になっているの」


 確かに、これだけ情報が書かれていれば、ドラゴンが嫌がるのも無理はない。


「ブラックドラゴンなら……」

 パピラターがページを捲る。

「あった」


 それは、大きな本20ページにもわたる情報が書かれていた。


「こんなに……」


 この本の作者はブラックドラゴンが好きだったのか、見開きでのイラストがいくつも載っていた。

 子ドラゴンのイラストまで。


「本当に……似てる……」

 それは確かにロケンローそのものだった。

 ツノの形も、口の形も。

 この世界で形をとる時、この図鑑を参考にしたんじゃないかと思えるほどのそっくりっぷりだ。


 大人のドラゴンは、翼が大きく、身体はほっそりとしている。

 かなり大型のドラゴンだ。


「ロケンローもこんな風になるのかな」

「どうかしら。あの子、中身はドラゴンじゃないじゃない」

「けど、周りにバレないように、ドラゴンとして成長するかもしれないし」


 あの性格のまま大人になったロケンローを想像した。

 大きくなったロケンローは、相変わらず尻尾で釣りでもしているだろうか。

 なんだか、おもしろい。


「大きくなったら乗せてくれるかな」


 それを聞いたパピラターが笑う。

「いい考えね。二人で乗せてもらいましょ」


「ふふっ」と二人で笑い合う。


 いつかそんな日が来ますように。


 二人はそれぞれそう思う。

パピラターとプルクラッタッター、二人の日常。

番外編をあと2つほど書いて、完結にしようかと思います。

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