表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
実は◯◯◯◯◯な魔女と実は◯◯◯の魔法少女が魔王を倒しに行く物語  作者: 大天使ミコエル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

119/140

119 君を救うヒーローになる(1)

「ど、どうしたの」


 “騒乱のニュクス”に乗ったケイタロウに、慌てて引っ張り上げられる。


「魔女が、魔王を殺しに行ったんだよ」


「え、どうして?」


「どうしてって、元々魔王を殺しに来た魔女だろうが」


 不満そうな顔のケイタロウが「飛べ」と声をかけると、ぶおん、と“騒乱のニュクス”が空へ浮かび上がる。

 プルクラッタッターの鞄の紐に、ロケンローががっしり掴まった。


「だって……っ、パピラターは……自分のこと魔族だって……。魔王の味方だって」


「あ〜、魔族……。魔族なぁ」

 “騒乱のニュクス”は、魔王城へ向かって飛んでいく。

 風は冷たいものの、思った以上に安定した飛び方に驚いた。


「確かに魔族だ。正確に言えば、“魔王の人形”」


「人形……」


 プルクラッタッターには、それが、ロケンローが持つ意味と同じだということが分かった。


「それも、魔力の塊故に、恐れられて、閉じ込められて生きていた魔族だ」


「え…………?」


 閉じ込められて?


 閉じ込められて、というと、魔王の城に閉じ込められるお姫様みたいな感じだろうか。

 それとも、ラプンツェルみたいな?


 プルクラッタッターは、その言葉が、想像以上でない事を願う。


「何でそんなことに……」


「魔力から生まれた人形は、魔力量も多い。暴発する可能性もあるからな。だからと言って、基本的には普通に生まれた者と、変わらないはずなのにな」


 飛んでいく下で、森がグングンと通り過ぎる。


「閉じ込めたのも、知り合いを殺して回ったのも指示したのは先王だ。けど、その先王の言いなりになって動いていたのは現魔王だから、魔女には恨まれてるんだと」


「だから……殺す?」


 殺す?

 攻撃してきたパピラターを殺せば、魔王の安全が保たれる?

 魔王を殺せば一件落着?


 ううん、違う。


「そんなこと……したら、パピラターだって、死んじゃうのに」


 そうだ。

 魔王とパピラターは、一つの命を共有している。

 プルクラッタッターとロケンローみたいに。

 プルクラッタッターが死ぬと、ロケンローも道連れに死んでしまう。


 つまり、魔王を倒してしまえば、パピラターだって……。


「そういうことだ。あの魔女は、魔王に殺されるか、魔王を殺して自分も死ぬか。どっちにしろ死ぬ覚悟をしているって事だ」


「そんな……。嘘…………」


 だから、置いていかれたっていうの?

 嘘までついて……。


「やだ……」


「ああ、俺だって、魔王が死んだら、困る。どっちにしろ死ぬからって爆発でも起こされたらたまらない」


「い、急いでお兄ちゃん!!」


「分かってるって!」


 けれど、森をどれだけ行っても、パピラターを見つける事はできなかった。

 魔王の城は、もう目の前に聳え立っている。

そんなわけで、パピラターの正体は……、という話です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ