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実は◯◯◯◯◯な魔女と実は◯◯◯の魔法少女が魔王を倒しに行く物語  作者: 大天使ミコエル


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105 竜の山(6)

 広場へ行くと、すでに大小様々なドラゴン達が、パーティーのようにテーブルをいくつも連ねていた。

 どうやら、いくつあっても足りないようで、どんどんテーブルに椅子、それに山のような食事が運ばれてくる。

 食事はそれぞれが持ち寄っているらしく、色々な方面から届けられた。

 ドラゴンは身体が大きい者が多いだけあって、食事もなかなかのボリューム。

 子供のドラゴンは、飾り付けを率先して行なっているようで、花を飾るように綺麗な水晶をあちらこちらに飾った。


「どうぞどうぞ」

 パーティー会場の中心の席に案内される。

 目の前には、山のような食べ物。

 果物も大量にあるけれど、肉料理が多いのは、やはりドラゴンは肉食が多いのだろうか。

 酒も大量にあるにはあったが、プルクラッタッターが手を伸ばすとパピラターに睨まれてしまい、飲むのをやめた。

 水差しには、水が大量に入っている。なんでも、下の方で湧き水が採れるらしい。

 透明の水が、キラキラと輝いた。


「いらっしゃーい」

 というたくさんの声と共に、

「どこからきたの!?」

「何が好き?」

 と質問の声でいっぱいになる。


「そんなにいっぺんに答えられないよ」

 と言いつつも、プルクラッタッターはなんだか嬉しかった。

 これほど弱っている時にも、助けてくれる誰かがいるという事実に。


 ロケンローの事を気にしつつも、プルクラッタッターはパピラターに、パピラターはプルクラッタッターに休んで欲しかったこともあって、そこからは楽しく過ごした。

 食事も美味しかった。

 一番美味しかったのは水だと言うと、ドラゴン達に怒られてしまうだろうか。


 ドラゴン達は、楽しくなると「ゴォォ……」という、歌のような音を出した。


 突然の来訪者に驚いた者も、歓迎した者も、来訪者に気づかず何故みんなして食事をとる事になったのかわからずにいた者も、全員が笑顔でいた。


 頭上の大穴に、星が輝き出した時、二人はお礼を言って立ち上がった。


 タンバリンのような楽器の音の中で、

「またね!」

「また食事しましょう」

 と声がかかる。

「またね!」

 と、笑顔で手を振って、ロケンローの所に戻った。


 ひょっこりと穴に顔を覗かせると、コハとトラマさんがにっこりと笑顔で迎えてくれた。


 ロケンローは、グースカ眠っている。


「落ち着いたよ」

 プルクラッタッターが、コハとトラマさんの顔を交互に見て、やっと安心した顔を見せた。


「ありがとうございます。見てていただいて」

 寝床のそばにしゃがみ込んだ。

 それはいつも通りの寝顔で、もう心配はいらなそうだ。


 パピラターもプルクラッタッターの隣にしゃがみ込む。

「よかったじゃない」

「うん、よかった」

「へへー」っとプルクラッタッターが笑うと、パピラターも気恥ずかしそうに笑顔を見せた。

そんなわけで、ロケンローについては一安心、となったのでした。

この世界のドラゴンは、集団で生活することが多いようです。

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