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大相撲令嬢Z ~エルフの森の宰相に条約破棄をくらった皇太子妃候補の私は拾ったもふもふをなでくりまわしたい はぁどすこいどすこい~  作者: 川獺右端
第三章 ドワーフ大玄洞―魔導列車場所

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第二十六話 五対五の団体戦はずるいわ

「では、五対五の団体戦でよろしくっ!」

「……」

「魔王さま……、いけません……」


 アリマ関が首をふって魔王をいさめるわ。

 こっちは五人も力士はいないのだけれど。


「いいんだよっ! 相手に合わせる必要なんか無いんだっ、こっちは五人の代表力士を揃えたんだ、アリアカ側も五人出すべきだろう、出せないというのは向こうの都合だよっ!」


 さすがは魔王、約束に無い事を平然と主張するわね。

 こまったわね、こちらは私とリジー王子の二人しか出せないわ。

 さすがにアデラを土俵に上げるのは可哀想だし。


「わ、私がやるわっ!! 魔王軍めっ!!」


 マミアーナさんが一歩前に出て魔王に叫んだ。

 魔王はしてやったりという感じにニヤリと笑った。


「ははは、これで全勝すれば、君たちの勝ちはあるなっ!」

「ちょっと、まてい、マミアーナ、お前じゃ無理だろうっ」

「無理じゃないわっ、お兄ちゃん!! ここで名乗りをあげなくて、なにがドワーフなのよっ!」


 その意気や良し、なのだけど、マミアーナさんはお相撲の事あまり知らないわよね。

 それでも、あと二人必要ね。


「アデラ行けるかしら」

「いけるわけ無いでしょう、私をなんだと思っているんですか、お嬢様」

「い、いえ、その、その卓抜な軍事知識で一つ。あなたはずっと土俵の近くでお相撲を見てきたし」

「その卓抜な軍事知識が言ってます。私が土俵に出ても誰にも勝てませんよ。新しく来たミノタウロスさんだって、もの凄く強そうじゃないですかっ」


 たしかに敵の土俵列車の中にいるミノタウロスの力士はもの凄く強そうだわね。

 でも、番付ではきっと、アラウネのウタさんの下なんでしょうね。


「ウ、ウタさんとなら、ワンチャン」

「ワンチャンもアメチャンもありません。土俵に根を張る力士なんかに勝てませんよっ」


 それはそうかもしれない。

 前回は、リジー王子が超電磁リニア三所攻めでやっと吹っ飛ばしたのだし。

 困ったわ、困ったわ。


「それと……、お嬢様、エルフの森を抜けましたから、風の相撲エア・スモウフォームが使えなくなってるかと……」

「はっ」


 確かにそうね、困ったわ。


『だいじょうぶよ! まだ、加護はつながっているわ』


 ふわっと、緑色の光が私とリジー王子の体から沢山出てきてまとわりついた。


「あ、あなたたちは?」

『わたしたちは、風の精霊、大玄洞では無理だったけど、ここならまだ力を貸せるわよっ』

『一緒にお相撲をしましょー』

『おすもうおすもう~~っ』


 緑の光は、風の精霊たちのようだ。

 風の相撲が使えるなら正直助かるわ。

 ウタさんの毒花粉と、ククリさんの糸飛ばしに対応できそうね。


 マミアーナさんに風の相撲エア・スモウフォームを掛けて、ウタさんと対戦させれば、ワンチャン……。

 うーん、勝てるかしら。


 全勝しないといけないのは正直辛いわね。

 あと一人ぐらいは力士が欲しいわ。


「ワンワワン!!」


 私が胸に抱いたワン太が吠え始めた。


「どぅしたの? ワン太は出られないわよ、四つ足だし」

「さすがに腕がありませんとねえ」


 私の腕の中のワン太がぐねりと捻れた。

 そして、どんどんどんどん大きくなる。


「バウバウ!」


 いつの間にか、私はオオカミ頭のマッチョに抱きついていた。


「「いやあああっ!! 戻して戻してっ!!」」


 アデラと一緒に半裸のオオカミ男をボコボコと叩いた。

 あの愛くるしいワン太を帰してっ!!


「フ、フローチェ、アデラ、正気に戻って。ワ、ワン太も出たいのかい?」

「バウバウウ」


 いやあっ! 声も低くなって、こんなの私たちのワン太じゃないわっ!!


「あ、張り手、張り手はやめてあげて、フローチェ。痛がっているし」

「でも、こんなの、私のワン太じゃないんですっ!!」

「で、でも、貴重な戦力だから、開始前に潰しちゃだめだよ」


 リジー王子にかいなを取られて初めて無意識に張り手をオオカミ怪人に打っていたのに気がついたわ。

 すいません。


 と、とりあえずこれで四人。

 ど、どうなのかしら、勝てるのかしら。


 ふと、風がアリアカの方から吹いて来たのを感じた。


―― あ、そうか、来るかもしれない。


 そんな予感が、私の脳裏に走った。


「お嬢様、あと一人、どうしますか? 無論、私は出ませんけど」

「四人で戦うわ」

「勝ち星を拾えそうなのは、お嬢様と王子だけです。マミアーナさんとオオカミ男の実力が未知数ですよ」

「と、とりあえず、現時点で全力を尽くすしかないわ」

「相撲の神様が何とかしてくれれば良いのですが」

「勝負は時の運よ」

「今回はそうとうが悪いですが」


 確かにそうだけど、仕方が無いわ、今はアリアカにむけての逃避行中なのだから。


「順番はどうしますか?」


 アデラが軍人の目をしながら聞いてきた。

 そうねえ。


「先鋒がマミアーナさん、次鋒がオオカミマッチョ、中堅がリジー王子、副将が空席、大将が私でどうかしら」

「向こうの先鋒がミノタウロスさん、次鋒がウタさん、中堅がククリさん、副将がアリマ関、大将が魔王ですね、きっと」

「僕はククリさんと勝負か、これは燃えてくるね」

「リジー王子は、一度勝ったウタさんとやって、白星を拾ってほしい所なんですが」

「いや、きっとウタさんも超電磁リニア三所攻めは対策していると思うよ、ククリさんに、マミアーナさんやワン太では負けが見えてるし」

「そうですわね、王子」


 とはいえ、ウタさんにしろ、ミノタウロスさんにしろ、マミアーナさんと変態オオカミ仮面が勝てる気がしないのだけれど。


 と、とりあえずやってみましょう。

 女は度胸よ。


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― 新着の感想 ―
[一言] ここでワン太が温泉に入ったシーンを思い出してみよう! …通報不可避
[一言] あんっ、大っきくなった♡すっごーい(エロボイス
[一言] ワン太かわいそう……
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