表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大相撲令嬢Z ~エルフの森の宰相に条約破棄をくらった皇太子妃候補の私は拾ったもふもふをなでくりまわしたい はぁどすこいどすこい~  作者: 川獺右端
第二章 エルフ大森林場所

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/67

第十六話 アラウネ力士 花のウタ戦

「アラウネですか、魔界の深部にいる植物系の魔物ですね」

「アデラはなんでも知ってるわね」

「知ってる事だけです。アラウネの特殊能力は花粉による魅了・毒ですね。あとは体からツタを出して相手を絡め取り長時間かけて精気を搾り取るといわれます」

「なんとなくセンシティブな魔物ね」

「ですね、植物系のサキュバスとも言われます」


 アラウネの技は相撲的には決め手になるとは思えないけれども、暗黒相撲の幕内力士、油断はできないわね。


 アデラが土俵にあがり、呼出しをする。


「ひがああしい、リジィィィ、リジィィィ、にいしい、ウタァァア、ウタァァア」


 両者が土俵に上がった。

 ウタさんはリジー王子に投げキッスとかしているわ、あ、グレイ審判に怒られた。

 なんだか、うわついた力士で好きになれないわね。


 やっぱり、ウタさんは歩いたりするのが苦手みたいね、よろよろしているわ。

 四股を踏んでるけど、バランスが悪い。

 大丈夫なのかしら。


『見あって見あって』


 両者の気合いが高まって行くわ。

 この呼吸が合うか合わないかの緊張感の高まりが相撲の醍醐味よね。


 呼吸があった。

 両者とんと拳を土俵について立ち上がる。

 ウタさんの立ち会いが鈍い。

 立ち上がる前にドカンとリジー王子のぶちかましが決まった!

 これで……。


「王子さま、強いのねえ」


 ウタさんはリジー王子のぶちかましをがっちり受け止めて微動だにしていない。

 どうして?

 中腰でバランスの悪い時にぶち当たったのに!


 ウタさんの体の花がリンリンと揺れて色とりどりの花粉が舞った。


「大サービス。魅了花粉、毒花粉、痺れ花粉、盛り盛りよ」

「風の相撲エア・スモウフォーム!」


 リジー王子の宣言と共に風の甲冑が彼の体に着装され邪悪な花粉を吹き飛ばした。

 再度、突風の後押しを受けてリジー王子がウタさんにぶちかます。


 ドカーン!


 リジー王子は一歩下がる。

 彼の顔に驚愕の色が浮かんだ。

 風の相撲エア・スモウフォームの突進力を足しても、ウタさんは微動だにしない。


 王子は少し距離を取った。

 ウタさんは動かない。


「ふふふ、私の相撲は機動相撲じゃないのよ。いわば重要塞相撲とでも言おうかしらね」

「根だね!」

「大当たりよ♡」


 ウタさんが一歩足を上げた。

 足の裏にはびっしり細かい根が生えて土俵の土をまとい、大きな穴を足下にあけた。


 そうか、よろよろ歩いていたのも、立ち会いの動きが遅いのも、そのせいか。

 土俵に文字通り根をはっての待ち相撲、それがウタさんの相撲なんだわ。


「ワンワンワンワンッ!!」


 私の胸に抱いたワン太が激しく吠えた。


 リジー王子は攻めあぐんでいる。

 ウタさんがてっぽうの形に手を振った。


「てっぽうウイップ


 彼女の手の平からツタが現れ、てっぽうの勢いでリジー王子を襲う。

 王子は滑るようにそれを避ける。


 かたや軽量級で業師のリジー王子、かたや土俵に文字通り根をはる重要塞相撲のウタさん。

 対極にあるような相撲スタイルだわ。


 ウタさんは黒土俵の自陣にどっしり立って、てっぽうウイップでリジー王子を狙う。

 リジー王子は土俵を縦横無尽にすり足をしてそれをかわしていく。


 あっ!

 王子がてっぽうウイップを掴もうとした。

 確かに、ツタを掴んで、それを土俵に押しつければ王子の勝ちだわ。


「それは悪手だわよ♪」


 パアン!


 てっぽうウイップが変化してリジー王子の胸に当たった。


「くっ!」


 ああ、リジー王子の白い肌に赤い筋がついた。

 苦悶の表情も耽美で素敵です王子!

 はぁどすこいどすこい。


 あら、嫌だわ、私ったら。


 パアンパアンと風の鎧を踏み越えてツタの鞭がリジー王子を襲う。

 一条二条と玉の肌にミミズ腫れが増えていく。


「キメさせてもらうね~♪ 王子様~~♪ 千条鞭サウザントウイップ!!」


 ウタさんが背中を丸めると、体中から無数のツタ鞭が現れリジー王子を襲う!


「僕を舐めては駄目だよ」


 リジー王子の背後に歯車状の相撲スピリッツが現れ、高速回転を始めた。

 彼は残像が残るほどの速度で無数のツタ鞭を避けていく。

 そう、技と速度、それがリジー王子の相撲スタイルなのよ!


「リジー王子頑張れーっ!」


 ギュン!


 私の声援で彼の相撲スピリッツ回転数ケイデンスが更に上がった。


 ドーン!


 ついにツタの嵐をかいくぐりリジー王子はウタさんに激突し、廻しを掴んだ。


「くっ! 廻しを取ったからといってどうだというンだっ! 私は不動のウタなのよっ!」

「ふっ、不可能を可能にするのが、アリアカの相撲だよ」


 リジー王子は不敵に笑うと、ウタさんの右足に内掛けをした。

 ま、まさか……。


 ウタさんの左足を手ですくった。


「な、何をするつもりなのっ!!」

「ふふふっ」


 リジー王子の体が光輝く。

 シャンシャンシャンと光のレールがウタさんの後方に生まれた。


超電磁リニア三所攻めっ!!!!」


 リジー王子はウタさんの胸に頭を押しつけ、技名を宣言した。


 メリメリメリ!


 超電磁リニアの推進力でウタさんの足の裏の根が土俵から引き剥がされた。


「ぎゃーーーっ!」


 バキュウウウウウウン!!


 ウタさんは後方のリニアレールに乗せられてとんでもない速度で土俵から打ち出され、村の教会の壁に激突して跳ね返り転がった。


 素晴らしい、見事な超電磁リニア三所攻めだったわ。

 アリアカの相撲巡業だと、危険だから付与相撲魔法は使えないけれど、暗黒相撲相手なら使い放題なので楽しいわね。


 リジー王子は土俵を降りてウタさんの所にいった。


「ごめんね、怪我はない? 君が強いからやりすぎちゃった」

「お、王子様~~~♡」


 王子は手を出して、ウタさんを助け起こした。

 乙女魔物に王子さまムーブは効果がばつぐんだ。

 ウタさんは真っ赤になってあわあわしていた。


 むう、メスの顔をするのはやめなさい、ウタさん。

 リジー王子は私の婚約者よ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ