2.スウィンお姉ちゃん
こんにちは!
サンゼだよ!
今日は、スウィンお姉ちゃんのことを書くからね。
スウィンお姉ちゃんは、わたしの本当のお姉ちゃんじゃないよ。
でもわたしたちのお姉ちゃんなんだ!
とっても優しくてね、いつもわたしたちと一緒にいてくれるの。
昨日きいたらね、今年で十五歳になったんだって。
スウィンお姉ちゃんには、本当のお姉ちゃんがいるよ。
セリアっていう名前。
セリアお姉ちゃんは、とてもとっても、綺麗なんだよ!
サンゼのお姫様なの!
きゃあ! 言っちゃった!
でもでも、今日はスウィンお姉ちゃんのことを書くから、セリアお姉ちゃんのことは待っててね。
また今度書くからね。
スウィンお姉ちゃんも綺麗さんなんだよ。
でもお化粧はしないの。
セリアお姉ちゃんみたいに綺麗なお化粧をしたら、きっともっともっと綺麗になるのにな。
もったいないって、大きいお兄ちゃんたちも言ってるのに、お化粧したところは見たことがないの。
でも、余計な虫がつくよりはいいって大きいお兄ちゃんたちが言ってた。
どういうことかな?
うん、スウィンお姉ちゃんに虫はついちゃだめだよね!
スウィンお姉ちゃんの髪の毛の色は、金色よりも薄い色。
瞳の色は、くすんだ碧色。
くすんだって、どういう感じだろう。
今度誰かにきいてみるね。
スウィンお姉ちゃんは、わたしたちみんなのお姉ちゃん!
ううん、お母さんみたい!
お母さん……
サンゼのお母さんは、やっぱり戻ってこないのかな。
サンゼのこと、嫌いになっちゃったのかな。
みんなのお父さんとお母さんも、帰ってこないの。
おじいちゃんたちとおばあちゃんたち、それと、サンゼたちを置いていっちゃったの。
小さな村だったし、食べるものも少なかったから、外に働きにみんな行っちゃって、でも、みんな帰ってこなかった。
はじめはね、お金を送ってくれてたの。
でも、それもすぐに止まっちゃった。
もう、帰ってこないって、みんな言ってる。
そうなのかな。
もう、会えないのかな。
でも、寂しくないよ!
みんながいるもん!
スウィンお姉ちゃんに、セリアお姉ちゃん、タグお兄ちゃん、イチヤお兄ちゃん、ニキ、シース、ゴウトに、ロクレイ、シチェックも!
みんないるから、楽しいよ!
それに、リーヴ!
リーヴはね、すっごく! カッコいいの!
セリアお姉ちゃんの王子様なの!
まだ結ばれてないけど、セリアお姉ちゃんとリーヴは、とってもお似合いなの!
でもリーヴにきいたら、俺は違うって言ってた。
セリアお姉ちゃんはリーヴがいいって言ってるのに、リーヴはダメなのかな?
じゃあね、リーヴはわたしたちみんなの王子様でいい? ってきいたら、笑ってくれた。
きゃあ! あんまり笑わないリーヴが笑ってくれたよ!
あ、ごめんなさい。
サンゼのたった一人の王子様は、あなただよ。
でも、でもね。
リーヴは、わたしたちの王子様で、王様で、神様みたいな人。
神様がいるなら、みんなが幸せになれるんだって。
でも、神様が本当にいるんだったら、お母さんたちはいまもわたしの隣にいるはずだもん。
わたしたちの神様はリーヴだよ。
だって、リーヴがいるから、わたしたちは幸せなんだから。
だから、わたしの王子様は、リーヴには妬かなくてもいいからね。
んー?
妬くってなあに?