犬、異世界召喚された
「ロイ、下がれ!クッ、どうやら異世界人じゃなくて魔物を喚んだのか!」
「魔物扱いされてる!!!?」
失礼なのしかいないのか!
はーい!
神とかいうふざけた奴によって強制的に異世界召喚された山田だよ!
異世界召喚する犬なんてオレくらいじゃない?
今度の場所は男が二人。
これまたタイプが違う美形が…
とりあえず、コイツ等に喚ばれたみたいだし自己紹介でもしとくか!
「よくぞ、我を喚びだした異界の者よ!このオレこそが犬の中の犬!その名は山田なり!!!」
「「…………」」
あれ?
反応なし?
オレみたいなイケ犬が来たからから驚いているのか。
も~。山田ったら罪な犬~。
「犬?魔物ではなく?私たちは人間を喚んだつもりなんだが……」
「魔物ではありません!NO魔物!YES犬!オレが異世界召喚されたのは間違いないですよ。神とかいうあんちきしょうな野郎にとばされたもん」
「神?どの様な姿だった?」
「銀髪で赤い目のとんでない美形なのに、一人称が俺様とかいろいろ痛いやべぇ奴で、ブヘッ!」
頭上からたらいが降って来たんだけど!!?
何、この世界いきなりたらい降ってくんの!?
どこにも頭上注意とか書いてないけど!
こんなふざけたことするのは、あのふざけた奴しかありえない。
もしかしてオレ見張られてる……?
やだ、ストーカー?
「……一人称はともかく、その特徴は創造神のグリューエンだな」
「落ちて来たたらいも神聖な力を感じるね」
え?
あの神そんな偉かったの?
そんな奴が一番の世界とか大丈夫?
もしかしたらどんでもないとこ来た?
「驚いたが異世界召喚は成功したようだね」
「え、これ成功なの?」
「どうも!山田です。気軽に山田とお呼びください!」
「本当に成功でいいのか?」
「わかった。よろしく、ヤマダ」
なんか赤い髪の人がうるさいけど、第一異世界人との接触は成功だな。
その後、自己紹介をしてもらったけど、金髪の方が王子でロイ、赤い髪の方が騎士ブレイブね。
う~ん。如何にもって感じがするな。
ふむふむ。
周りの国々が異世界人を召喚しているから、ロイたちもなめられない様に召喚したと。
このオレを喚ぶとはラッキーガイたちだな。
ロイたちには元の世界から召喚したことに謝れたことが感動した。
その前にとんでもないのに会ってるしね……
「異世界人というの珍しいスキルを持っていることが多いんだよ。ヤマダのスキルはどんなのだい?」
「あ~。オレのスキルは~…いまいちよくわかんなくって…」
…誰もTシャツに文字が書かれるスキルだと思うまい……
ほかにも能力があるのかもしれないが、今のところこれ以外わかってないしね。
まだ、オレの秘めた能力を解き放つ時ではないということか…
そうだ。
ロイたちにステータスを見せればわかることがあるかも。
早速、見せてみよう。
名前:山田
年齢:18歳
レベル:1
ジョブ:飼い犬
スキル:異世界言語 異世界文字 無限の可能性を持つ犬
「…………」
「……これは、なんの能力を持つスキルかわからないね」
ですよね~。
やっぱりわかな、あっ!!!
「ジョブが変わってる!」
「何?」
「ジョブが野良犬から飼い犬に進化してる!」
「…………」
「それはよかったね。ヤマダ」
「はい!」
このちょっとの間に進化するなんて、オレは自分の才能が怖いぜ…
赤Tシャツの文字も野良犬から飼い犬に変わってる。
ハッ、飼い犬…それはつまり…
「あなた方が山田のご主人様!」
「気色悪いこと言うな!」
「まぁまぁ、いいじゃないか。私は昔から犬を飼いたいと思っていたんだ。ヤマダはお利口そうだし、私たちが喚んでしまったんだ。最後まで面倒みないとね。」
「わん!」
「ははは、いい子だ。城を案内するよ」
「え、これ俺がおかしいの???」
少しは長くしてみたつもりですが、まだまだ微妙な感じですね…