表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/7

犬、異世界召喚される 2




この自称神が本物か偽物かはおいておこう。



いきなり別の所にいたのを移動させるのだから、何かしら力を持っているのは間違いないだろう。






そこで初めてオレは辺りの様子を見た。



周りはまるで西洋の教会のようであり、荘厳な雰囲気と息を呑むような美しさがある。

普通だったら祭壇があるところに、これまた豪華絢爛な玉座があり、上から見下ろすように一人の男が座っている。






その男は周りの美しさ負けることなく、いや逆にこの男を引き立てるための存在にしか思えない。



それほどまでに、男は美しかった。



流れる銀色の髪にルビーのような目、陶器のような肌はシミ一つなく、また身体も均等のとれた美しさだった。






なるほど。

神を名乗るのも頷ける。






これは()()()()()()としか言い様がない。






謎の力に人外の美しさ。

どうやらこれはこの男を神と認めるしかなさそうだ。



え~やだ~。

オレほど品行方正に生きていやつはいないのに~。

こんな神に絡まれるなんて~。











それから()の話しを聞いたけど、どうやらコイツの暇潰しのために喚ばれた(召還された)のはわかった。

オレには怒る権利があると思う。



しかも召還は一方通行みたいで帰るのは絶望的みたい。

オレには殴る権利もあると思う。




仕方がないが腹をくくるしかない。




戻れないなら連れてきた責任で衣食住その他を保証してもらわねば。

前に連れてこられた人間にも最低限の知識やら力やらを与えたみたいだからオレにもくれ。



ギブミーパワー!

力をよこせ!






神が手を振ると、オレの足元にまた魔方陣があらわれた。

そしてなにやら動き光ると消えていった。

これで終了みたい。



えー…。

お手軽すぎない?

魔法とかに感動する前にあっさりしすぎて不安なんだけど…。



元々の自分の能力がそのままスキルなどに出るようだ。

そのため、どのようなスキルが出るかは本人次第。



神でさえ、いまいちわからないという。



それうえで、本人の希望に沿ったスキルをランダムでくれるようだ。



神いわく、運で選ばれたのだから、他も運で決めるべきだろうというよくわからない考えのもとらしい。






はたして、オレにはどんな力がついたのか。

犬だから俊足とかかな。



ステータスと唱えると自分のスキルがわかるというので早速試してみる。











名前:山田


年齢:18歳


レベル:1


ジョブ:野良犬


スキル:異世界言語 異世界文字 無限の(インフィニティ)可能性を持つ(ポッシビリティズ)(ドッグ)











「……………」

「……………」






思わず黙ってしまうステータスだった。






え?

これだけ?

他にないの?

神も黙ちゃったじゃないか。






というか、スキル一体なんなの???

オレこれで異世界行って大丈夫?????











よくわからないスキルについて神に聞いてみたけど、わからんと言われた件について……。



この神、神のくせに使えねぇな。



とりあえず使ってみればわかるじゃないかということで早速使ってみることにした。

ここでオレの可能性にみちあふれたスキルの実力がわかるわけだな!




「……なにも起きないんですけど…」

「……なにも起きないな…」

「え、どういうこと!?バグ?ミス?」

「い、いや、そんなはずはない!確かにスキルを授けた!」

「でも、なにも起きないですけど!………あっ!」

「なんだ!?なんか起きたか!?」

「オ、オレの赤Tシャツに野良犬の文字が書かれてる!一丁裏なのに!」

「………一応はスキルは授かったみたいだな」




オレの赤Tシャツ!!!!!



スキル授かったとかどうでもいいわ!

Tシャツに文字が書かれるスキルとか一体なんの役に立つんだよ!



これで異世界に行けとかマジでクレイジーすぎるだろ!!!



それにだいたいジョブもなんだよ!

ジョブ、野良犬って!



勇者のお供かよ!

桃太郎の犬だって野良犬扱いされてねぇわ!




「キーーーー!!!この山田に対して野良犬とはひどすぎる!謝罪を要求する!」

「……とりあえずお前は俺様の世界でなんだかんだやっていける気がするな」

「そんな適当なこと言って!生き物は最後まで面倒みるのが決まりでしょう!山田を養って!」

「お前には特にやらなきゃいけない使命も、しなきゃいけない義務もない。好きなように生きればいい。あるとすれば俺様を楽しませることだな。まぁ、お前は十分面白いから期待している。」

「シカト!?山田はアンタを楽しませるために生きてるんじゃないんですけど!」

「じゃあまたな」




この野郎!

シカトしやがった!



山田はアンタのおもちゃじゃないんですけど!

なんの保証があって言いやがる!



この誘拐犯が!!!



とか思っている間に足元の床がまた光った。

1日に何度やる気だよ!











オレが最後に見たのは神のとんでもなくいい笑顔だった。











どのぐらいでページ変えたらいいんですかね…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ