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神、異世界召喚する
男はため息をついた。
最近、他の世界の神たちの間で異世界転生なるものが流行っているのを聞いた。
自分の世界とは違う人間を招きその人間たちの姿を眺めるというのだ。
異世界の人間が起こす騒動。
ここにはない知恵や発想力。
時には神自身も介入し、面白おかしい混乱を作り楽しむのだという。
まぁなかには真剣に世界がよくなるためにやる神もいるようだが………
神というのは総じて暇なものだ。
だから男も真似してみたのだ。
よい娯楽になればと。
だが、どうだろう。
呼び寄せたものはどれもこれも同じようなものばかり。
行動も似たり寄ったりで、男は飽きてしまった。
これでは暇潰しにならないと。
だから男はこれで最後にしようと思った。
これで終わりにして、また別の暇潰しを探すことにしようと。
男の頭の中はもう別のことを考えており、その召喚について何も期待していなかった。
「ここどこ!?オレ散歩してたんだけど!!!!!」
召喚した人間の頭部は犬の顔をしていた。