夏の日の出来事
春に書いた夏の話です(^^;)
突然だけど、夏って暑いよね
1日2本くらいはアイスが食べたくなるよね(え?ならない?)
これはそんな
「1日2本以上アイス食わなきゃやってらんねえよ!!」
な、女の子とその兄妹達のお話です
「・・・・暑い・・・・」
東京都、とある町、とある家のリビングにのソファに
一人の少女がぐったり
彼女の顔の前では扇風機が
ひたすら彼女に風を送り続けている
彼女の名前は斎 麻耶
小学五年生のちょっと短気な女子だ
では、うだうだ紹介するのも面倒臭いので先に進もう
麻耶は徐にソファから立ち上がると
キッチンへ向かい、冷蔵庫の冷凍室を開けた
次の瞬間、麻耶は絶句した
なぜかって?
なかったのだ 彼女の大好きな・・・・・・・
「・・・・アイスが・・・ない・・・・っ」
夏には1日2本以上はアイスを食べなければ
「やってらんねえよ!!」
な、彼女にとって
冷蔵庫にアイスが入っていないのは
三度の飯をとらないよりキツイ(はず)なのだ
麻耶が冷蔵庫の前で項垂れていると、
玄関から「ガチャリ」と鍵の開く音がし、
「ただいまー」
という男性の声がした
そのとき既に麻耶は、
「ガチャリ」の「ガ」の部分で立ち上がり、
マッハ5のスピードで玄関へ走り出していた
そして、「ただいまー」の「−」の部分で横っ飛びになり、
その「ただいまー」の声の主へタックルをかました
「兄ちゃんっっ!」
「ごヴぇらっ!!!」
その「兄ちゃん」と呼ばれた人物は
よく解らない声を上げて玄関に倒れた
麻耶はそれを気にする様でもなく、
彼の胸倉を掴んだ
「兄ちゃん!アイスがないっっ!!」
もうあっちの世界へ意識が飛んでしまっている彼に訴えた
ちなみにさっきから「兄ちゃん」と呼ばれている人物は
斎 英里
中学二年生の麻耶の兄だ
英里はこちらの世界へ意識を取り戻すと
「今見えたの・・・アレ・・・三途の川・・・?」
「そんなことより兄ちゃん!アイスは!?」
「あのな・・・おまえは実の兄とアイスとどっちが大事なんだよ・・・・?」
「アイス」
「ズバッ」っと音がしそうなくらい麻耶ははっきりと答えた
(即答かよ・・・)
英里はやや顔が引き攣っている
「つか冷蔵庫にないならもうないよ」
「じゃあ買って来て」
「はあ!?ヤだし!暑いし!つかお前が買って来ればいいじゃん!」
「兄ちゃんはあたしが死んでもいいの!?」
「大丈夫。好物が一日食べられなくて死んだ人はいないから」
麻耶の顔は半泣きだったのだが、
100%嘘泣きだったのであっさり無視
「兄ちゃんの人でなしぃ!!」
「実の兄を殺そうとしたお前に人でなしと言われる覚えはない!!」
二人が玄関で言い争っていると
突然ドアが開いた
「あだっ!」
ドアの前に立ちっぱなしだった英里の頭にドアが当たり、
英里は頭を押さえてしゃがみ込んだ
「ただいまーってアレ?何してんのアンタ等?」
「「姉ちゃん・・・」」
帰って来たのは麻耶と英里の姉、斎 梢だった
ついでに中学三年生だ
「ついでって何よついでって」
(・・・すみません・・・・)
「(誰に話してんのかが気になるけど)姉ちゃんその袋は?」
アイスに飢えている麻耶は
梢の持っているコンビニ袋に目敏く反応した
「ああコレ?アイス買って来た もうなかったみたいだし」
「ぃやったー!!姉ちゃん最高っ!!」
麻耶は梢から袋をひったくり、アイスの袋を破いてアイスを食べ始め、
「んん〜っ 地球に生まれてよかった〜!」
と、誰かの名言(?)を叫んでいた
「さーて、テレビでも見るかー」
「あ、俺もー」
英里と梢は靴を脱ぎ、麻耶と3人でリビングに向かった
こうして斎兄妹の口喧嘩(?)は幕を閉じたのであった