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漫才の台本

漫才「ラーメン屋」

作者: 沢山書世
掲載日:2019/07/23

漫才7作目です。どうぞよろしくお願いいたします。

この作品は、youtubeにも投稿しております。

 昼飯時、二軒並んだラーメン屋の前。

「いらっしゃい、いらっしゃい。ラーメンいかがですかあ」

「左亭と右軒かあ。どっちにしようかなあ」

「美味しいラーメンでしたら、こちらにどうぞー」

「たしかに、左亭の方がお客で賑わっているね。でも、右軒の方が空いているようだから待たなくてすむな」

「お客さん、右軒はやめときなさいって。左亭にしたほうがいい」

「そんなことを言うと、営業妨害で訴えられますよ」

「右軒は私の店なんだから大丈夫」

「え? じゃああなた、よその店の呼び込みをしているんですか?」

「ええ。そうですよ」

「なんでまた」

「隣は人気店でしてね」

「そのようですね」

「左亭が一杯になると、余ったお客さんは自動的にうちに流れてくるという寸法です」

「なるほど」

「はやく左亭を満員にすることが、うちの開店準備になるんですよ」

「ふーん」

「いらっしゃいいらっしゃい、おいしいよ、評判だよ」

「それって空しくないんですか?」

「もう吹っ切れましたよ」

「吹っ切れた?」

「うちは、一見さんしか来ないの。おんなじお客さんが二回来たためしがないんです」

「失礼かもしれませんが、お宅で出すラーメンは美味しくないんですか?」

「美味しいなんて言ったら、うそつき呼ばわりされかねません」

「努力すりゃいいじゃないですか」

「私だっておいしいラーメンを作りたかったですよ」

「ラーメン屋をやる人はみんなそうですものね」

「私なりにいろいろ試してみたんですが、なかなかうまくいかなくて」

「そうでしたか」

「頭を下げて、隣の店からつくり方を教わりもしたんですが、再現できませんでした」

「ご苦労されたんですね」

「どうやっても隣にはかなわない」

「悔しかったでしょう」

「左亭は、皿はきれいに洗ってあるし、店も掃除が行き届いているしで、お勧めする価値のある店なんです」

「それくらいは真似出来るでしょ」

「で、勝負するのは諦めて、生き残り作戦に出ることにしたわけです」

「なるほどね」

「勝手にうちの店に流れてきた客なら、まずいものを出しても、店を選んだ客の自己責任ですから」

「その方法で今後も商売を続けていけますかねえ」

「ここら辺には、この二軒以外にラーメン屋はありませんから大丈夫」

「案外順調なんですね」

「ええ。おかげさまで高い値段設定でも、お客さんは入ってくれるんですよ」

「そろそろ、お隣さんが客で満員になりましたね」

「こっちも商売を始めるとしましょうかねえ」

「いよいよですか」

「お客さん、お待たせしました。右軒へようこそ」

「俺はいかないよ」


読んでいただき、どうもありがとうございました。

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