猟団家族連携編ー12ー
開始早々、今度は普通にオークがオニマルの方に向かってきたので、得意のワンパターン『乱打戦』を実行した。しかし猟団家族と行ったクエストとはあきらかに内容が違う。
明確なのは、PTみんながダメージをもらっている事。ある人は複数のオークに囲まれてボコボコにやられていた。ある人は大型敵サイクロプスに踏まれて動けなくなっていた。ついにはライフゲージも危険を示すレッドゾーンを超え瀕死状態に。俺は慌てて助けに行くが、間に合わず死んでしまう。(このゲームは瀕死状態の人をPTが助け起こし戦闘に復活させる事が出来る。ただし間に合わず、完全に死んだ場合は『復活魂』を1個消費することで復活する)
パッと見『みんなバラバラにやっている』そんな印象だった。とはいえ感想を述べるほど、みんなの動きをじっくり見ている余裕なんてない。目の前に来る敵を殴るのに精一杯なのだ。それでも家族PTとの違いはなんなのか?可能な限り、周囲に注意を払った。
何度も全員がボロボロになりながら、その内の何人かは死んで復活を余儀なくされる。当然、オニマルも無傷で済むはずがなく2回も死んでしまう。それでも制限時間ギリギリでなんとか勝利出来た。しかしクリアと呼ぶには、『勝利』と呼ぶには、あまりにも痴がましい散々な過程だった。
『猟団家族』と『野良PT』。この2戦の違い。
具体的な戦いの違いはわからないが、『もう一つ』だけ俺にもはっきりとわかったことがあった。
それはクリア時間
野良戦のクリアタイム24分40秒(制限時間25分)に対し、猟団家族PTは15分19秒。おそらく俺が家族並みにうまく立ち回れば15分は切ったかも知れない(無理だけど)。さらに家族のみんなが本気のLV100武器だったら、何分短縮するのか想像がつかなぃ。
本質は見えてないが「連携」とは、『ダメージを受けない事』だけが利点ではなかった。ここまで『クリアータイム』に影響を及ぼすとは思ってもみなかった。
俺にとってこのタイム差は衝撃だった。
同時に『猟団家族』の強さを客観的に垣間見た瞬間だった。
今回で『猟団家族連携編』は終わりです。次回より『猟団家族彼氏編』です