猟団家族連携編ー08ー
さてスタートすると、まず城門前に飛ばされる。
前線拠点として築城されたノーダ城。ここを敵に攻め落とされては窮地に立たされてしまう。だから侵入された敵の全滅、もしくは敵の撤退が急務なのだ。つまり『負け』は許されない。(という設定)
……おぉぉ〜ここから、始まるのか?
俺は、家族みんなの後をついていく。
目の前には見たこともないオークの大群がこちらを睨み、今にも襲いかかって来そうな勢いだった。
うほっ!!こえぇ〜〜!!
ところが様子がおかしい。俺のところにオークが全然向かってこない。
……何が起こっているのか、わからない??。
俺のこれまでの戦いは、野球でいうところの『乱打戦』。こちが殴って、殴られて、また殴る、といったアクションゲームだけどターン制(交代制)のような大味な戦い。当然ダメージをもらうので、限られた回復薬を使って体力を回復しながらの戦いになっていた。
それが、目の前で俺の理解の出来ないことが起こっている。家族の誰もダメージを受けてない。画面右上に表示されている、みんなのライフゲージが全然減っていない。
どういうことなのだ??これだけの大群相手に何が起こっているのだ??
最初に、じぃちゃんは言った。
今回オニマルに合わせて、あえてLV40武器防具を装備していると。つまりこの現象は家族のLV 100というステータスの強さはあっても、LVの高い武器防具の恩恵、課金武器の恩恵ではない。強さに任せて『ゴリ押し』している戦いではない。そういう次元の戦いではない。
その後もエリアの制圧を着々と成功させ、最後のラスボスも倒し、見事クリアとなった。
その中で唯一オニマルだけが、いつも通りダメージをくらいながら敵を殴っていた。目の前のオークに夢中で家族が何をしているのかわからないが、家族のHPゲージが最初から最後まで減っていないのだけは確認出来た。それだけでも凄い事が起こっていたのはわかった。根本的に俺の知らない『戦い』が目の前で起きていた。
「これが、連携じゃ」
……すげ〜〜!!
あいかわらず連携の意味は全然わからんが、じぃちゃんの言葉は胸に刺さった。