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猟団掲示板から始まる物語  作者: クリクロ
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猟団家族初心編ー01ー

その日、家族はまだ誰もインしていなかった。待っているのもあれなんで、いつも利用しているクエスト発注広場で俺単独でいけるクエストがないか調べていた。するといきなりSay【目の前にいる人たち用のTC(テキストチャット】で


「こんにちは。始めたばかりです」


とログが流れてきた。周りを見回してもオニマルしかいなかったので、俺に対し挨拶してきたのだろうか?とりあえず「おはよぉ」と返事をしてみた。その人のパラメーターを覗くと、まさにナチュラルルーキーでラピッド・ファイヤーLV6(オニマルこの時ファイターLV51)。そして本当に始めたばっかりのこの新人君がいきなり怒涛の質問ラッシュをしてきたのだ。



「こんにちは。始めたばかりです」


うん。それさっき聞いた。


「ジョブは何がおススメ?」


………俺は気まぐれシェフじゃないわ!!

とは言えず「自分が好きなジョブやるのが長続きするよ」


「それは分かっているんだけど、何からやっていいのやら」


……人生というレール引いてもらわないとダメな子か!?

とは言えず「ファイターとか他のジョブも触ると違いがわかるよ」


「ではファイターは、どういうジョブなんですか?」

「ではサウスポーは、どういうジョブなんですか?」

「ではラピッド・ファイヤーは、どういうジョブなんですか?」


……ガンガン来すぎだよ!!疑惑を追求するレポーターか!?

とは言えず、じぃちゃんの受け売りだが1つ1つ丁寧に説明してあげた


「えぇ〜なんか技多くて、めんどくさいなぁ〜」


………オマエは苦労知らずのボンボンか!!

とは言えず「徐々に技増えてくるし、段々自分に合う技が見つかるよ」





こんな『お客様サポートセンター』みたいな会話を40分以上続けていた。

そして、この人は「ラピッド・ファイヤーやってきます」言うて去っていった。



えぇぇぇぇ〜?このくだりって意味なかったじゃないん!?俺渾身の説明を聞いてた?『ラピッド・ファイヤー』はテクニカルだから、初心者は扱いが難しいって!!。(つか俺ですら、まだやってないのに。)「ファイターをやるとバランス型だから比較の目安になるよ」って言ったのに。結局、人の話を全然聞いてないやん!!を通すなら相談するなよ!!勝手にググれよ!!



実は去り際、フレ登録を申し込んで来たのでとりあえず承認していた。その後、彼との連絡は途絶え、それから、ちょいちょいログイン確認をしたのだが、出会った頃からLVは上がっていなかった。結局、この人はゲームを辞めたのだろう。見返りを求めるつもりはないが、フレ登録までして、質問に対して丁寧に対応した自分に対し腹立たしくもあり、虚しくもあった。


そしてオレはそっとフレンド解除のボタンを押した。


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