猟団家族再戦編ー12ー
「ミスを減らすには何度も行って覚えるしかないのじゃ。トライ&エラーの繰り返しなのじゃ。そして『連携』とは、互いを信じて自分を磨く事なのじゃ」
じぃちゃんが伝えたい事はシンプルだが、実は奥が深いことだという事を俺は身に染みて知っている。
ステータスが高くても装備が強くても、あくまでそれは数値上の強さ。
装備収集においては、ある意味そのプレイヤーの努力の賜物ではある。しかし数値の強さイコールその『プレイヤーの強さ』には直結しない。それは、戦いが単純な1対1の殴り合いじゃないからである。
PTの一員として、俺の成すべき事は何か?この目的意識があるかないかで、戦いにおける『質』がまるっきり変わる事を俺は猟団家族から教わった。
①現状を把握し、優先度の高い行動を選択する。
②クリアーに至るまでのゲームプランを練る。
③トラブルに対応する瞬時の切り替えを身につける。
その為にまず、敵味方の情報収集が求められる。そして、そういう積み重ねが連携に活かされていく。
「ゲームくらい自由にやってもいいでしょ」とPTの事など気にもせず、弱いメンバーを助ける発想すらせず、好き勝手に進む。適当にやって死ぬことがあっても、懲りずに戦法を変えずに同じことを繰り返す。野良戦において、こういう独り善がりの連中との遭遇率は割と多い。
しかし、コレは初期の俺そのもの考え方。まさに自分の事しか考えていない。相手をPTを思いやる気持ちなど微塵もない。なぜならそういう発想に辿り着く『知識』がないから。まして敵はいつも同じタイミングで同じ攻撃をしてくるわけではない。集まったPTも人が変われば、ジョブ構成が変われば、戦法が変わり、異なる戦い方を求められる。
これらに対処するためには、自分の引き出しの中に多くの『手札』を持っていないといけない。手札が1枚しかなければワンパターンで終わるが、何枚もあれば出す順番、タイミング、そして非常時用と、慌てることなく臨機応変に対処出来る。
勿論、個々のパラメータ数値や装備の数値は高いに越したことはない。しかし数値だけに任せてゴリ押しで勝ったところで達成感が味わえるはすがない。何故なら個々が噛み合わないという事は、PTとしての真価を発揮しきれない。集団としてのパフォーマンスを出しきれない。
そこが『連携』と『適当』の決定的に絶対的に違うところなのだ。
……って、じぃちゃんが言うてた(受け売りの棒読み)
いつか、こういうコンセプトで別の物語を書けたらな〜と、思っています。というか、動いてはいます。