猟団家族和室編ー02ー
思っていた以上に、俺と同じ駅に降りる人は多かった。これも週末のせいなのか?終電のせいなのか?いつも午前中にのんびり帰省する時とは違い、こんな夜遅くに地元でそこそこの帰宅ラッシュの波にのまれるとは思っても見なかった。
帰宅者の多さに比例してか駅前のロータリーは予想通りタクシーよりもマイカーが多く、深夜0時過ぎなのにそのヘッドライトの多さでやけに駅前が華やいで見えた。その明るさのおかげで母さんの乗って来た車はすぐ見つかった。
ありがとう。母さん!!
「おかえり、お兄ぃちゃん」
帰宅の車中、珍しく母さんと2人だけの会話が出来た。
「4Kモニタはまだ2台しか届いていないの。だから今はおじぃちゃんとおばぁちゃんが優先して使っているのよ」
ヘェ〜。そうなんだ。まぁ〜出資者が一番最初に使うのは当然だよね。
それで、やっぱり4Kはすごい??
「お兄ぃちゃんの目で確認してみれば。そういえば、こっちには、いつまでいられるの?」
4Kモニタの事ばっかり考えて来たんで、戻る事まで考えてなかったわ。まぁ食材の買いだめしないといけないから、日曜の午前中には、戻ろうかなぁ〜
「なら、久しぶりに明日(土曜)の晩御飯は母さんが作ろうかしら」
なんでだよ!!父さんと和解したのに、なんでまだ料理サボっていたんだよ!?
なんで、料理は拒否してアサシンは日々欠かさず精進してんだよ!?
「お兄ぃちゃん。今、運転してるの誰かなぁ?言い忘れていたけど、今サイドポケットにキラっ!!と光るモノあるんだけどなぁ〜」
す、す、すんませんでしたぁぁ〜〜調子乗りすぎました!!
つか検問あったら、捕まるぞ!!リアルでナイフはマズイって!!
つか、なんでそんなモンを車ん中に常備してんだよ!!
「ウフフ。『キラっと光る』しか言ってないわよ。これ新型のス・マ・ホ」
ぐは!!
エマより厄介だ。エマは構おうとすると無関心を装うが、母さんは意図的に『罠』に誘導して確実にコチラのトドメを刺してくる。明らかにアサシン適性だよ!!