猟団家族和室編ー01ー
「お兄ぃちゃん!!お兄ぃちゃん!!休める日は、ないんか??」
じぃちゃんが、いつもよりもさらにテンション高めで聞いてきた。
え?ドユコト!?
「ようやく4Kモニタが実家に届くのじゃ」
おぉぉぉ!!
「せっかくだし、戻ってこれないかのぉ?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
金曜日の夜。俺は今、実家に向かう最終電車に乗っている。この時間この方面の電車を利用したのは初だったが、意外と車内は混んでいた。そして最寄り駅には母さんが車で迎えに来てくれる手筈。おそらく駅前のロータリーはそういう車で混雑しているのだろう。
しかし成り行きとはいえ、4Kモニタ見たいハイテンションがいつまでも続くはずもない。その場の勢いでじぃちゃんと約束し次週なんとか土日休める日程を確保したが、忙しさに追われる日々を重ねると4Kだろうが8Kだろうが結構どうでもよくなってきた。
ただ約束の日。つまり当日となれば話は変わる。再びテンションが上がってくるこの感じ。今までの俺では到底考えられない。正月とお盆しか帰らなかった俺が、普通の金土日に帰省している。その理由が
『おじぃちゃんとおばぁちゃんの笑顔を見たいから!!』
じゃなくて
『4Kモニタ見たいから!!』
どんだけ、欲に忠実なんだよ!俺!!
どんだけ、次世代に喰いつくんだよ!俺!!