名探偵編ー事件03ー
仮に中堅組が高速周回攻略法の事をどこからのツテで知ったとしても、それを使いこなせるだけの人数確保と強さは兼ね備えていない。だから、可能にするにはランカーグループに入るしかない。しかしギンガさんは新人加入を許さなかった。それどころか、ギンガさんはより強固なグループの存在をランキングを通し内外に誇示する事に全てを注ぎ込み始めた。対外的には入団希望者は全て断り、グループ内では「次は誰々と組んで」と効率重視で細かく指図するようになり、楽しさを置き去りにする。
実はトトには、ピノさん達とは別にもう一人、メッセージ交流していた後発のフレさんがいた。そして本当はこのフレさんも、このグループに入れてもらえるようにギンガさんに頼もうとしていた。
しかしその矢先、この不穏な事件が起きる。当時、ギンガさんがどういう基準で参加希望者の選別をしているのかトトにはわからなかったが、グループ内に広がるこの不穏な雰囲気は敏感に感じ取れた。少なくともフレさんをトラブルに巻き込むわけにはいかない。トトはフレさんにこの経緯を伝え、グループ入りのお誘いは無かった事にしてもらった。それほど、グループ内にギスギスとした空気が漂い始めていた。