聖女はメタ!追放劇の裏事情!後編
「聖女はミタ!追放劇の裏事情!前編」
の続きとなります。
そちらを読んでからこちらを読んでください。
今回メタ要素が多量に含まれています。
そういったものが苦手な方はどうぞ、そっ閉じをしてください。
追放劇シリーズ。これにて完結です。
俺君の追放劇の茶番を終えた私たちはみんな罪悪感でうずくまっていた。ORZ
みんな泣いている。幼馴染ちゃんなどギャン泣きである。
……仕方ない私から立ち上がるしかないな。
聖「気持ちはわかるけどいい加減、立ちあがりなさい」
勇「……簡単に言うなよ」
聖「前回投稿してから数日経ったでしょう? もう十分だと思うけど」
勇「メタってるんじゃねえよ!」
聖「それにほら、いつまでも寝てても話が進まないでしょ? このままだと後編で終わらせる予定が中・後編になってしまうじゃないですか!」
勇「そんな事情なんか知らねえよ!!! だからメタるな!」
聖「何を言っているの? ちゃんとタイトルを見なさい! 『聖女はメタ!』って書いてあるでしょ?」
勇「マジかよ!? あれ間違えただけじゃなかったのか……」
聖「というわけで今回はメタりまくる、前回がネタなら今回はメタだ!」
勇「いいのかよ? そんなことやって」
聖「大丈夫だ! 問題しかない!(キリッ)」
勇「駄目じゃないか……」
聖「シリアスにやってたらコメディにならないじゃないですか! それともジャンルを変えますか?」
勇「それやっちゃダメだろ!」
聖「大丈夫です。すぐに変更できるから」
勇「そういう問題じゃねえよ!」
聖「なるべく人の少ないジャンルにするとかですね! 詩とか童話とか!」
勇「ジャンル分けの意味ねーじゃねーか!」
聖「それで評価ポイントを友人に入れてもらえば誰かが読んでくれますよ?」
勇「危険なことを言うんじゃねーよ!」
聖「まぁいいです、ところで幼馴染ちゃんはまだ復活してないんですか?」
そう言いつつ幼馴染ちゃんの方を見ると。
幼「あんた~、もっと~♪」
……現実逃避して発情していた。
そして私はおもむろに幼馴染ちゃんに近づくと……
じっくりと観察した!
聖「これが俺君との夜の運動会の様子ですか。……なるほど!!!」
- 聖女のむっつりレベルが上がりました -
勇「セクハラだろ! 早く目を覚まさせろよ!」
ッチ。私は舌打ちしながら諦めることにした。こいつやはり邪魔だな。
普通男ならこういうチャンス逃さないだろうに。この似非紳士が!
「仕方ない起こしますか」と言いつつ、「あ、手が滑っちゃった。てへぺろ」
幼馴染ちゃんを押し倒す!
幼「……たまには乱暴にされるのもいい」
乱暴に扱われるなんて最高です! もう大好物です!!! 情熱が鼻から溢れそうです!
あ、ノ〇ターン行きは勘弁ね?
- 聖女のむっつりレベルがたくさん上がりました -
- レベルが上限に達したのでむっつり聖女に進化します -
聖「誰がむっつり聖女やねん!!! 異議を申し立てる! 訴訟も辞さない!」
勇「さっきから一人で何を言ってるんだ。ついにおかしくなったか?」
聖「《天の声》ですよ! それが私を貶める!」
勇「ハイファンタジーの作品じゃあるまいし、そんなことありえないだろ」
聖「てめーもメタってんじゃねえか!」
勇「でも、プークスクス。ぴったりじゃねえか。なぁ『むっつり聖女』様♪」
もうこいつ殺していいんじゃないかな?
……殺人後の証拠隠滅を考え込んでると復活した幼馴染ちゃんが言った。
幼「さっきからみんな何してる? 早く話進めよ?」
聖勇「「おまえに言われたくねえよ。この痴女が!」」
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聖「さて、俺君にみんな嫌われたわけですけど、私にいい考えがある!!!」
勇「それ失敗する奴じゃ……」
聖「俺君へ今回の事情や謝罪を手紙にして送るんです!そうすればきっと誤解は解けます!」
聖「ちなみに遺書になりますから悔いがないようにお願いします」
幼「それってほんとに大丈夫かな……俺君信じてくれるかな……?」
聖「絶対大丈夫です! なにせ【おまえ追放されたんだろ?俺たちとパーティ組まないか?】を読んだところ、成功してますから!」
勇「それ絶対にやっちゃいけないやつじゃねーか! 禁じ手だぞ!」
聖「別作品だから大丈夫でしょ?」
勇「全然大丈夫じゃねーし!」
聖「じゃあ、あれです!私聖女ですし未来予知のスキルが発現したってことにしておけば!」
勇「設定めちゃくちゃじゃねーか!」
聖「来いよ世界観! 設定なんか捨ててかかって来い!!」
勇「おまえはいったい何を言っているんだ」
……いい加減話が進まないからみんなで手紙を書く。
幼「私の代わりに娘をファッ〇していいぞっと」
……こいつマジでそんなことを書いてるのか!?
やべぇマチキチだよ。こいつとは距離を置いた方がいいかもしれん。
ちなみにこのマジキチは幻惑の魔法で体型を誤魔化して妊娠を隠していた。
最近になって一時実家に帰省して娘を出産して戻ってきたばかりです。
ちなみに俺君は半年ぐらい国の依頼で別行動していたため、マジキチの出産に気が付いていない。
という設定になっている。いつ決めた?今でしょ。
まぁ、それはおいておいて、勇者のやつが無難な手紙を書くだろう。あいつ勇者のくせに地味だし。
私も書かないとね。しかしあれですよ。私がこんなに苦労してるのは俺君がいないせいだ。
そう思うとむかむかしてきますね。いつも幼馴染ちゃんとイチャついてるし。
それとなく文句も入れて手紙を書きますか。
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みんな俺君あての手紙を書き終わったから幼馴染ちゃんの使い魔にギルドあてで送ってもらう。
私たちに何かあったら俺君に渡すように言付けてね。
その前に知られると俺君が来ちゃうから、仕方ない。
聖「ってことで巻いて進めないと!文字数が多くなりすぎるから急ぎますよ!」
勇「なんの話だよ!?」
聖「魔王を倒すのが早ければ早いほど俺君の誤解が解けるのが早くなるってことです!」
勇「早く魔王を倒しにいくぞ!」幼「何してる聖女!早く行かないと置いてく!」
こいつら……。
まぁ、魔王さえ倒せばこいつらのお守りも終わりだ。俺君早く帰ってきてほしいな。切実に。
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魔王の城までの道中、俺君がやっていたことを、こいつらほとんど役に立たないから
私がやっていた。俺君の優秀さがよくわかる。
ストレスがかなり溜まっているので早く魔王の城へたどり着いて魔物とか殺しまくろう。
魔王の城へたどり着いた。使い魔をギルドへやり、私たちが魔王を倒したかどうか後で確認してもらうように連絡をする。
三人のやる気はもはや最高潮!
すべての敵を殲滅する勢いでついに魔王の前にたどり着いた。
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魔王「よく来たな。人間どもよ」
幼「私、魔王との闘いが終わったら結婚するんだ」
勇「魔王の目の前で言うのかよ!」
聖「やったか!?」
勇「まだ何にもやってないぞ!」
魔王「我を倒しても第二、第三の魔王が現れることだろう……」
勇「なんで魔王まで倒されたようなセリフ言ってんだよ!」
聖「やったか!?」
勇「だからまだ何もやってない!!!」
勇「魔王よ。おまえに個人的には恨みはないが俺氏のために死んでくれ!」
魔王「俺氏って誰のことだよ!そんな個人的なことで貴様ら魔王を倒すのか!」
幼「俺君は私のすべて!死にさらせやぁ!!!」
魔王「こいつらやべぇよ!魔物のほうがまだまともだよ!」
聖「いいから私のためにさっさと死ね!」
- 魔王戦 激闘中 -
みんなボロボロになりながらもなんとか凌いでいる。
勇「戦闘描写省略かよ!?」
聖「オートモードでやってるから大丈夫です。あとマクロを組んでますからHPが半分で回復するようにしています」
勇「ゲームじゃねえよ! あとオートモードで魔王相手になんとかなるのかよ!?」
聖「HPが1割になったら暴走モードに入りますので。そこで切り札を使うんです!」
勇「なんで攻略法があってそれを知ってるんだよ! それにHP1割ってどうやってわかるんだよ!?」
聖「ハイファンタジーのジャンルじゃ常識じゃないですか、あと鑑定スキルが必須になってますよ?」
勇「他のジャンルのこと言ってるんじゃねぇよ!」
聖「やったか!?」
勇「おまえ、それが言いたいだけだろ!」
幼「遊んでないでっ! もうじき一割になる!」
勇「わかった! なんでわかるのかわからないがわかった!」
聖「・・・(今のうちにこっそりと離れよう)」
勇「幼馴染ちゃん! 聖女を拘束だ!」
聖「なんだと!? 貴様それでも勇者かっ!?」
幼「前編で言ったでしょ「絶対に逃がさない」って」
聖「ハナセー。イヤダー。シニタクナイー」
勇「いくぞ! サクリファイス!」
聖剣から光が溢れ出し、勇者、幼馴染、聖女、そして魔王を包み込む!
勇「……これは……。そうか……そういうことか……。聖剣のことを生命を犠牲にするってどんな魔剣だよ!って思ってたが、これは魔族に良く効くんだな!」
勇「ハッ!まったくご機嫌だぜ! 良かったな聖女! 死なないで済みそうだぜ!」
勇「よし、魔王から最大限の生命力を奪い、俺たちから必要な分の生命を持っていけ! 聖剣よ!」
すべての光が聖剣に集まる!
聖「だらだら話してないで早く攻撃してください!!!」
勇「わかってるぜ!勇者の勘でわかる! これだけの力があれば倒せる! いくぜ! うおおおおおおおお!!!」
そして勇者が聖剣を振り切り、一筋の光が魔王を真っ二つに切り裂いた! だが、同時に聖剣も砕け散った!
聖「やったか!?」
勇「バカッ!いまそのセリフを言うんじゃねーよ!」
……しばらく経ったが何も起こらない。無事倒せたようだ!
勇「……ハハッ、どうやら無事に倒せたようだぜ。流石にもう体力も気力も限界だ」
聖「……あのー、勇者、幼馴染ちゃんも身体がちっちゃくなってますよ?」
勇幼「は?」
勇「って聖女も縮んでいるぞ!?」
聖「は?まじで!?」
幼「うあぁあぁ、私のパーフェクトボデーがー。これじゃ俺君に嫌われるー」
聖「私のスタイルが・・・美人から美少女になってしまったじゃないですか!?」
勇「……なんかおまえら余裕あるな……。お、魔王の宝物庫があるぜ。ちょっと休んだら漁ろうぜ」
聖「さすが勇者、人の家で堂々と泥棒しやがりますね……」
勇「人聞きが悪いことを言うな。他人の家じゃやってねえよ! まぁ、盗賊とか魔王とかじゃやるけどな」
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聖「おおお! 流石魔王の宝物庫。財産ががっぽがっぽ!」
勇「おい、そこの聖職者! 物欲に塗れすぎだろ!」
幼「魔法のアイテムもたくさんある。全部もらっておこう」
聖「ああ! これは! 伝説のエリクシールじゃ(幼)「もらったぁぁぁぁぁ!」」
電光石火の勢いで幼馴染ちゃんが奪い取った。
幼「ごくごくごく、ふー、まずい、もう一杯!」
勇「しっかり確認する前だが大丈夫か?」
幼「俺君のに比べれば飲みやすい」
勇「そんなこと聞きたくねえよ!」
幼「身体にまとわりついてた倦怠感がなくなった。私 完全に 治ったぞ!」
幼馴染ちゃんは笑いながら泣くという器用なことをしていた。
勇者と私は微笑ましい顔で幼馴染ちゃんを眺めていた。
私も背負っていた肩の荷が下りて楽になった。
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勇「これですべて終わったんだな……」
聖「ああ、生きてるって素晴らしい……」
幼「早く俺君のところへ帰ろう!」
聖「ところであの聖剣はもう使えないんですか?」
勇「砕け散ったし流石に無理だろうな」
聖「ッチ。使えねえ男だな。あれさえあればまた若返れるのに!」
幼「俺君にいつまでも若い私を見せることができたのに。ほんっと使えない男」
勇「俺、全力で戦って魔王を倒したんだぜ!? なんでそこまで言われなくちゃいけないの!?」
聖「まぁ、あんなのがあると争いの元になるだけですし仕方ありませんか」
幼「帰ったら~、俺君と~、結婚~♪」
聖「イラッ。まったくリア充はこれだから」
勇「まぁまぁ、あいつもう娘いるし結婚するのが当たり前だろ?」
聖「はぁ、私も早く結婚したい」
勇「そうだ! 俺たちこれだけちっさくなったから、もう誰も元の俺たちとわからないんじゃないか?」
聖「確かに若返ったなら普通はわからないでしょうね」
勇「ってことは俺はもう勇者辞めてもいいじゃないか! 魔王も倒したことだしな。名誉とか面倒だからいらないし!」
聖「ってことは! 私も聖女を辞められる!? マジで!? 普通の女の子に戻れるんだ。やったー!」
幼「なるほど。じゃあ、使い魔で最後の力を振り絞って相打ちになったとギルドには伝える」
勇「勇者と聖女はここで死んだってことだな。そして俺たちが生まれ変わったと!」
聖「最高じゃん、いい男探して恋愛するぞー♪」
幼「そんなことより俺君のところへ早く帰るよ!」
私たちはみんな希望に溢れ、ウキウキしながら帰路についた。
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すぐに俺君の所に行こうとしてた幼馴染ちゃんを止めて、いったん身体を身綺麗にしてからいく。
俺君のいる宿に辿り着いた。
俺君が泣いている声が聞こえる。
これは今手紙を読んでいるところ? ナイスタイミング!
手紙を読み終わったところで入って驚かせましょう!
それまですぐにでも部屋へ突撃しそうになる幼馴染ちゃんを勇者と二人がかりで拘束する。
が、もう我慢できなかった幼馴染ちゃんは拘束を振りほどいて全力で部屋へ突撃していった。
幼「あんたーーーーーーーー!!!」
勇「さて、俺たちも行くか」
聖「勇者、悪い顔してるぞ?」
勇「おまえほどじゃないぜ。まったくニヤニヤしやがって」
聖「お互い様です。さぁ、行きましょうか」
勇「ああ、俺たちの居場所へな」
勇聖「「……ただいま……!」」
空は雲一つなく晴れ渡り、穏やかな風が吹いていた。
今回の話は小説として成り立っていないとは思います。
ですが、書いててとても楽しかったです。
これまでの短編小説すべて自分が作者として、一読者として楽しめるものを書きました。
テクニックとかプロットとか何もありません。ただの素人が書きなぐったものです。
そんな拙作でありながら、読んでいただいた方、応援していただいた方、今までありがとうございました。
私の拙作で少しでも楽しく小説を書いたり読めたりできる一助となっていれば幸甚です。
いったん、ここで、このお話は終わりです。
気が向いたらなんらかの話を書くかもしれません。
どうかみなさん。お元気で。
今回の小ネタ
大丈夫だ! 問題しかない!(エルシャダイ)
プークスクス(ドラえもん)
私にいい考えがある。失敗フラグ(トランスフォーマー)
来いよ世界観! 設定なんか捨ててかかって来い!(コマンドー)
いつ決めた?今でしょ(林修 東進ハイスクールTVCM)
私、魔王との闘いが終わったら結婚するんだ(死亡フラグ)
やったか!?=やってない(生存フラグ)
まずい。もういっぱい(キューサイ青汁TVCM)