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外に出て
斜め上を見上げた時の色は何種類もあった。ピンク色の雲、影は紺色、雲の周りは水色で真上に向かうほど青色になっていた。今日はこんなに色のある空が見られていい日だ、と思いながら足を進めると花屋についた。
いつも買う花束のコーナーにいこうと思い、入口の自動ボタンを押そうとすると、手前に桜の花があるのに気づいた。早いな、と説明書きを読むにどうやら小さく花をつけるこの季節の早咲き桜であることがわかった。しかし、季節のものを探していたからといってこれは急ぎすぎだろう。他には何かないか、探すと端っこのバケツに梅の花の付いている枝が無造作に挿してあるのを見つけた。いくつかある枝の中で、こちらに顔を向けている梅と目があって見つめ返す。ここは手入れをよくしてくれてまぁいいとこなんで、咲いた顔をそういって向けてきた。花屋ほど構ってはやれないな、困って隣を見ると今度は蕾をきっちりと締めて横になっている枝だった。頑なに変わる気がないと主張するそれを手にとって、レジに向かった。