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バルキュリア侵攻  作者: じょじょじょ
第二章 パルテノン
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発射

 旅客飛翔船襲撃時に起きたことを玲人はジョーカーに伝えた。

 危険を察知した場合にプラセバが状況に応じて何かをインストールすること。

 そのおかげで旅客飛翔船を立て直せたこと。

 そしてプラセバの終了と同時にその記憶が消えたこと。

 何もかもを。

 言い終わる頃にはすでに爆発まで5分前となっていた。が、できる限り成功率を上げたい、と言うジョーカーの思いから玲人は出来る範囲で事細かに話した。


『要はお前に危険を感じさせて、ロケットの操縦方法をインストールしなきゃいけない事態にすればいいってことか?』


 玲人が頷く。

 旅客飛翔船のときと同様に、プラセバが操縦方法さえインストールすれば玲人に迫る危険は消えてなくなる。

 しかし、今までプラセバを人為的に起動させたことなどなかった。加え、特定の動作をさせようなど、本当にできるのだろうか。


『わかった。ならレイジ。これから起こることを全力で信じこめ。疑うな。感情情報でプラセバを誤魔化せ』


 ジョーカーにそう言われて、玲人はひとまず浮かんだ疑問を忘れ去った。

 プラセバを起動させるために心を整理する。

 そしてプラセバが起動する感情を想像した。


 なんで死ぬのか? 何が原因? ここから立退くだけで助かる?

 それとも死因を排除しなければいけない?

 死因は【ゼウス】の爆発。

 絶対的な死。プラセバでさえ避けきれない。もう爆発まで5分を切った。

 小型飛翔船でさえもう逃げられない。助かる方法は唯一。

 そう、ロケットの発射だけ。

 そうじゃないと――死ぬ。


 今までのいきさつを想像しているうちに、先ほど脳裏をよぎった死が蘇った。そして、起こりうる未来として玲人の肩に手をかける。

 一瞬。玲人は死を悟った。


 瞬間、プラセバがそれに反応し、静かな思考の空間に割って入る。

 そして声を出す暇もなく、玲人の体は動かなくなる。


 《本体への危険接近を感知。撤退回避行動に移ります》


 突然の電子音に部隊からざわめきが起こり、玲人を取り巻いていた隊員たちが後ろへ退く。

 今までとは違った空気が部屋に広がる。


 玲人の目が周りを見渡すように動いた。


 《周辺状況をインストール……》

 玲人の目が窓の外、はるか先にそびえ立つロケットを凝視した。

 そして記憶からそれに何が積まれてあるのかも理解する。



 基本、ロケットの操縦法はひとつではない。系列別、種類別にその操縦方法は変わってゆく。

 だからこそ玲人はここから見えるかすかな外見からロケットの種類を判別し、それに適した操縦法を探していた。


 《現状理解。《Aー2ロケット操縦法》をインストール。構築完了》


 玲人がコントロールデスクに座り、その画面に手を置く。旅客飛翔船の時と同じように玲人が触れたデスクから火花が散る。制御塔の電気が落ち、暗闇が天井を走る。驚く暇もなく、光はすぐに戻った。


 《システムハッキング完了。ロケット発射準備調整》


 玲人が画面上に浮かぶ情報を次々と処理してゆき、それに適したボタンやらレバーやらを操作してゆく。おおよそ一人では処理しきれない量の情報だ。

 それらを何もできないジョーカーたちは固唾を飲んで見守るしかなかった。。


 遂に玲人はジョーカーが押せなかった発射ボタンへと手をかける。

 隊員たちが成功を祈る間もなくボタンはすんなりと押し込まれ、画面上にカウントダウンが表示された。


 5……4………3…………2…………………1……………………


 限りなく長い5秒が終わり、遂にその時が来た。


 《ロケット発射》


 淡々と、まるでそれが日常の会話であるかのような軽快さで制御システムは発射を告げた。。


 エンジンに火がともり、ロケット下部から神々しい光が放たれ、煙が捲き上る。

 ロケットはそのまま垂直に加速して行くと、パルテノン全住民の思いを乗せ、南の空へと飛んで行った。


投稿したつもりになってました。投稿してなかったです。

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