尻がヘトヘトってなんだ!?
「まっ真斗なのか?・・・」
高木は驚きながらそう言った。
『おう・・・。えっと久しぶりだな・・・。』
何をどう話したらいいかわからない俺は高木の目も見ないでそう言う。
「久しぶりだな・・・。えっと、お前なんで急に転校しちゃったんだ。と・・・どうしてそんな格好してるんだよ・・・。」
高木は当然のことを聞いてきた。勝手に高木に何も言わず転校したんだから。さて、なんと言ってこの場を切りぬけよう?
たまたま今日のファッションが女装だったんだよね〜。
最近暑いからスカート履いてみたんだ。
いやいやいやダメだ。
いっそのことストレートにアンデットと戦うために訓練をしているんだ!とでも言うか?
無理無理無理!!そんなのが通じるわけがない。
ん〜・・・。
真斗は何も言えず立ちすくしていた。
「もしかしてお金がないのか?」
高木が心配そうに言った。
ん?どう言うことだ?
「お金がなくて、こうゆうバイトで稼ぐしかないんだろ?家族にお金入れないといけなくて。だから学校にろくに行くこともできない・・・。この前お前の家に行ったけどな、誰も住んでなくてびっくりしたぜ。それで女装をしてでも家族にお金を入れようと・・・それでそれで・・・。」
高木は勝手にも俺の今の状況を妄想しだした。
それをきいて、真斗は思い出す。こいつはいつも何かあると妄想をしだすバカだってことに。ちなみに俺の家はアンデットとの戦いがあってから、『篝火』が調査をするため閉鎖されているのだ。
なんて愉快なやつなんだろう・・・。ただそれが唯一の救いだ。
あとはうまく切り抜ければ。
「しかも夜はおじさんたちにホテルに連れてかれて・・・。尻痛くないか?」
痛くないわあああああ!!
なんて妄想をするんだこの変態野郎!!
と口に出したいところだがそういうわけにもいかない。
この場を切り抜けるチャンスなのだから。
真斗はおもいきっていった。
『そうなんだ。毎日尻がもたなくてヘロヘロなんだよ。だからごめん。今日はここら辺で、また今度な・・・。』
尻がヘトヘトってなんだ!!
自分に突っ込んでしまいそうになるが俺は堪えた。
さあどうだ高木。
「やっぱそうなのか。色々あったんだな・・・。すまん邪魔して。また今度な。これからも家族のために頑張れよ。」
高木はそう言うと帰っていこうとした。
よし!!なんとか切り抜けることができそうだ。
真斗はホッとした。
「あっそういえば、これやるよ!」
高木が何やら怪しいものを俺に投げてきた。
「これ使えば、どんなにド太いものでもちゃんと入るはずだから・・・。またな!!」
高木が投げたのは卑猥な形をしたローションだった。
『あっありがとう。助かるよ。』
高木は走って帰って行った。
最後になんてものを渡すんだあいつ!!
しかし高木はあの調子だと学校の奴らに言いふらすんだろうな・・・(泣)。
まあなんとか切り抜けたし満足しよう。
そして俺はトトとココの元にろうとした。
すると・・・。
ドスッ
目の前に人のようなものがふっ飛んできた。
なんだなんだ!?
「真斗・・・。」
吹っ飛んできたのは高木だった。
なんで一瞬のうちにこんなことに・・・。
『大丈夫かおい!!高木!!』
真斗がそう叫ぶと
「気をつけろ。あいつやばい・・・。」
高木は吹っ飛んできた方向を指差して言った。
大した怪我ではないが高木は気を失う。
人間一人を吹っ飛ばす力って・・・。
真斗は高木の差した指の方向をみた。
みた方向には人間とは思えない大男が立っていた。
騒動に気がついた街の人々は急いで逃げていく。
上半身は裸。下はジーパンとどこにでもいそうなファッションだが、肌は灰色、目は血走っている。
あれは間違いない!・・・。
アンデットだ!!
ちょっと遅れました。すまそ。
普段はイラスト描いてます。夕凪すてら氏の『夢は儚し女装せよ乙女。』をよろしくお願いします。 https://yumeoto.amebaownd.com ←公式サイト