スカートって外で着てるとスースーするんだね。
もちろんバカにしているわけでも五郎さんのケツを叩くわけでもない。
『あの時、俺はアンデットとスリッパで戦っていました。なので試して見たいんです。』
なぜ俺がスリッパでアンデットと戦えたのか?ということが気になったのである。
「そういえばそうだったな。あの時はびっくりしたよ。スリッパでアンデットと戦っていたんだから。それが理由で滝沢大佐も君をスカウトしたわけだし。」
五郎は叩いてもらえるか興奮していたが正気に戻りそう言った。
「まあ試してもらうのもいいだろう・・・。」
『ありがとうございます。五郎さん』
そうして今度はスリッパでターゲットを攻撃した。
真斗の思った通りスリッパは優秀だった。
スリッパは真斗の思い通りに攻撃をターゲットに刻み込む。
『どうですか?五郎さん!!』
真斗は自信げにいった。
「お〜これはすごい!!完全にスリッパを使いこなしている。見事にターゲットが壊れ・・・って全然ダメじゃないか!!壊さないと。これじゃ使えても実戦では全くアンデットに効かないぞ・・・。」
ターゲットは全く傷ついていなかった。
やっぱスリッパはアンデットとは関係なかったのかな・・・。
そのあと真斗は諦め、今日の訓練は終了した。
「よしっ。汗もかいたし一緒に風呂でも入ろうか真斗!!」
五郎は下心全開で俺にいった。
『結構です!!』
真斗は即答で断る。
次の日
昨日は基地の地下にある部屋に泊めてもらえた。五郎さんと一緒に寝たが襲われることはなかった。ただパンツが1着たり無いような気がする。自分の勘違いならいいが・・・。
訓練の場所は今日も秋葉原だったが外の中央通りでやるらしい。
今日は歩行者天国、イベントなどもあってたくさんのコスプレイヤーと他にもカメラを持ったヲタクたちがウジャウジャいた。
「んじゃ今日は私たちが真斗の訓練の面倒を見るから感謝しろよ。よっしゃ!行くぞー!!」
トトは昨日と変わらず天真爛漫にそういった。
今日の担当は双子のトトとココだ。
「お〜。」
『お〜・・・。』
ココは大人しめに、俺は恥ずかしがりながら声を合わせて言った。
それもそのはず、こんな人の多いところであの戦闘服を着てるんだから。
スカートって外に出るとこんなスースーするんだな・・・。
どうやら組手の訓練らしい。
「よしじゃあ見てろよ。」
トトが大声で言った。人前でよく大声だせるなおい。
ココと一緒に見本を見せてくれるらしい。
「行くぞー!!」
「はい・・・。トト姉。」
ココがそう言うと組手が始まった。
何の説明もなくいきなり始めるんだなこの双子・・・。何見たらいいんだよ!!
二人は人間とは思えない素早い動きで、攻めたり避けたりしている。
なんてはやさだ・・・動きが全然見えやしない。
するとカメラを持ったヲタクたちがぞろぞろやって来た。
「お〜すごいでヤンス!!『二人のウィッチ〜漆黒と純白の翼〜』のクロちゃんとシロくんのコスプレじゃないっスカ。」
「クオリティ高すぎヤバス!!」
「脳が脳が〜!!お〜神よおおおーーーー!!!」
「写真撮ってもいいですか?」
そう言ってカメラを構え出した。
これはまずい・・・。
このままだとドンドン人が増えて訓練どころではないぞ・・・。
俺は二人を止めようと動いた。
『トトさん!ココさん!そこまでにしないと大変ですよ!!』
俺は大声で叫ぶ。
「私たちに指図すんな!!ちゃんとこの動きを見て勉強しろー!」
なぜかトトさんに逆ギレされる。
「そうだ・・・そうだ・・・。」
ココさんもかよ・・・。
なんて双子だ。俺の訓練とか言って遊び出しちゃったよ・・・。
どうすればいいんだ俺・・・。
真斗はあまりの破天荒さについていけずため息をついた。
そんな時一人の男性に背後から声をかけられる。
どこかで聞いたことのある声だった。
「その『夢は儚し女装せよ乙女。』恵唯ちゃんのコスプレいいですねー。ここまでちゃんと着こなせている人は見たことありません!!写真撮ってもいいですか?」
とうとう女装の俺にも声をかけてくる変態カメコがやって来た・・・。
こんな女装野郎を撮りたいとかどんなやつだよ!
こうなったらヤケクソだ。俺も楽しんでやる!!
『あらもう。私なんか撮っても面白くありませんよ!』
真斗は振り返り、恵唯ちゃんのキャラになりきってそう言った。
真斗は固まる・・・。
それもそのはず俺の目の前にいたのは親友の
高木だったのだ・・・。
「まっ真斗!?・・・」
高木は死んだような顔でそう言った。
『ちっ違うんだ!!高木いいいいいい!!!』
真斗は叫ぶ。
ちょっと遅れました。すまそ。
普段はイラスト描いてます。夕凪すてら氏の『夢は儚し女装せよ乙女。』をよろしくお願いします。 https://yumeoto.amebaownd.com ←公式サイト